かう)” の例文
情無い此我はよと、羨ましいがつひかうじて女房かゝにも口きかず泣きながら寐ました其夜の事、五重塔をきさま作れ今直つくれと怖しい人に吩咐いひつけられ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すでにして大夫たいふ鮑氏はうしかうこくぞくこれみ、景公けいこうしんす。景公けいこう穰苴じやうしよ退しりぞく。しよやまひはつしてす。田乞でんきつ田豹でんへうこれつてかうこくうらむ。
天醜爛漫らんまんとしてゐる。所が此爛漫らんまんが度を越すと、露悪家同志が御互に不便を感じて来る。其不便が段〻かうじて極端に達した時利他主義が又復活する。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だからあいつに云はせりや「笑ふ手前が可笑をかしいぞ」位な気は、とうの昔からあつたんだ。今度のあいつの一件だつて、つまりはその不平がかうじたやうなもんぢやないか。
南瓜 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これはおどろいた 僕も、大へんかう熱だ
かうノ越後守師泰もろやすなり
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも初めのうちは、夫程それほど烈しくもなかつたので、三千代はたゞ交際つきあひやむを得ないんだらうとあきらめてゐたが、仕舞にはそれが段々かうじて、程度ほうづが無くなる許なので三千代も心配をする。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)