-
トップ
>
-
餘人
>
-
よじん
否、
予は
汝が
氣に
入りたれば、
餘人にては
氣に
入らず、
獻立は
如何樣にても
可し、
凡そ
汝が
心にて
此ならば
可しと
思はば
其にて
可きなり
モン長
予はもとより、
親しい
誰れ
彼れにも
探らせたれども、
倅めは、
只もう
其胸の
内に、
何事をも
祕し
隱して、いっかな
餘人には
知らせぬゆゑ
そちのしたことは忠義のようで忠義にあらず、
餘人を
欺くことは出来ても此の三成を欺くことは
叶わぬぞ、その方
座頭に相成ったのは一時の方便ではないか
彼者迷惑して、「つひに
獻立を
仕りたる
覺えござなく、
其道は
聊も
心得候はねば、
不調法に
候、
此儀は
何卒餘人に
御申下さるべし」と
困じたる
状なりけり。