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餌
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えば
ふりがな文庫
“
餌
(
えば
)” の例文
勢い兄の欲しがる金を
餌
(
えば
)
にして、自分の目的を達しなければならなかった。結果はどうしても兄を
焦
(
じ
)
らす事に帰着した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蝮は興奮の薬力ある物か。予が知る騎手など競馬に先だち、乾した蝮の粉を馬に
餌
(
えば
)
うと、甚だ勇み出すといった。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
うむ、解るまいと思って人の聞くのも
憚
(
はば
)
からず、英語ですっかり白状した。つまり百円を
餌
(
えば
)
にして
皆
(
みんな
)
を釣ったのだ。
遺失
(
おとし
)
たもないものだ、時計は現在持っている。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝶よ花よと育てた
愛女
(
まなむすめ
)
が、堕落書生の
餌
(
えば
)
になる。身代を
注
(
つ
)
ぎ込んだ出来の好い息子が、大学卒業間際に肺病で死んで了う。
蜀山
(
しょくさん
)
を
兀
(
は
)
がした阿房宮が
楚人
(
そびと
)
の
一炬
(
いっきょ
)
に灰になる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
同時にこういう
家
(
うち
)
の一人娘は今頃
周旋屋
(
しゅうせんや
)
の
餌
(
えば
)
になってどこぞで芸者でもしていはせぬかと、そんな事に
思到
(
おもいいた
)
ると相も変らず日本固有の忠孝の思想と人身売買の習慣との関係やら
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「その釣り落す罠とやらんは、
兼
(
かね
)
てより聞きつれど、某いまだ見し事なし。
怎麼
(
いか
)
にして作り候や」「そは
斯様々々
(
かようかよう
)
にして
拵
(
こしら
)
へ、それに
餌
(
えば
)
をかけ置くなり」「して
他
(
かれ
)
が好む物とは」
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
つまらないやら情けないやら今游ぐならば手足すくみてそのまま魚の
餌
(
えば
)
ともなりなん。
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
汝ら敵の戰利また
餌
(
えば
)
となることなからずや?
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
大方蝉を
啄
(
ついば
)
もうとして
烏
(
からす
)
はその
餌
(
えば
)
を追うて梢から梢にと飛移ったに違いない。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「狐を釣るに
鼠
(
ねずみ
)
の
天麩羅
(
てんぷら
)
を用ふる由は、われ
猟師
(
かりうど
)
に
事
(
つか
)
へし故、
疾
(
とく
)
よりその法は知りて、
罠
(
わな
)
の掛け方も心得つれど、さてその
餌
(
えば
)
に供すべき、鼠のあらぬに
逡巡
(
ためら
)
ひぬ」ト、いひつつ天井を
打眺
(
うちなが
)
め
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
三昼夜麻畑の中に
蟄伏
(
ちっぷく
)
して、一たびその身に会せんため、一
粒
(
りゅう
)
の
飯
(
いい
)
をだに口にせで、かえりて湿虫の
餌
(
えば
)
となれる、意中の人の窮苦には、泰山といえども動かで
止
(
や
)
むべき、お通は
転倒
(
てんどう
)
したるなり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
恐るゝ豺は逃れ去り、大鹿獅子の
餌
(
えば
)
となる。
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
取るを許さず、貪婪の獸は
餌
(
えば
)
にあこがれて
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
“餌”の解説
餌(えさ、え、じ)は、動物を飼育や捕獲するための食物。ベイト(en: Bait)とも呼ぶ。
動物が自らの糧として獲得する食料をいうこともあるが、この語義は掲載しない国語辞典もあり、「餌生物」や「餌資源」といった表現は「食物資源」や「採食資源」とすべきという指摘もある。
(出典:Wikipedia)
餌
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
“餌”を含む語句
餌食
食餌
餌取
餌箱
香餌
薬餌
餌差
餌差町
餌付
餌桶
餌料
餌猪口
練餌
餌袋
好餌
餌物
摺餌
生餌
餌壺
餌取小路
...