)” の例文
ついにちびちびいをすることにもなり、次のご飯はほんとうに食べたくなくなって、食べながらいよいよ勝手ないたずらをするようになる。
女中訓 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
悪物ひで評判を取つた程あつて、女房の叔母が亡くなると、火葬にして、その灰をアスピリンか何ぞのやうにすつかり嚥み下してしまつた。
空腹に耐えかねて店の品をつまいすれば、代価を置いてゆくのに「泥棒」とか「食い逃げ」などと喚きたてられた。
ひとごろし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
蛾次郎、それをかきあつめては、毎日、卜斎の家を留守るすにして、野天のてん芝居しばいをみたりいに日をらしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「学科のいをするってことを先生が仰有いましたが、矢っ張りそれが悪かったんですね」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
まえたちも人のすてたものや、そこらにこぼれたものひろってべていればいいのだが、これまでのように、夜昼よるひるかまわず、人のうちの中をかけまわってぬすいをしたり、着物きものいやぶったり
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして三つにひとつはためひにくつてしまふ。いちご。柿。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
城内じょうない仲間ちゅうげんなどのうわさによると、近ごろ、蛾次郎のやつめ、この馬場ばばの近所で水独楽みずごまというのをまわし、芸人げいにんのまねをして、ぜにをもらっては買いいをして歩きまわっているそうだが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と言って、官立学校の試験を受ける為めに、英語の授業丈けいをしていた。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
なれるにしたがってそろそろ尻尾しっぽをだしてきた蛾次郎がじろうは、宿場人足しゅくばにんそくがよりたかって、うまそうに立ちいしている餅屋もちやの前へくると、ぎょうさんに、腹をかかえてしゃがんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)