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飛々
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とび/\
建續く
家は、なぞへに
向うへ
遠山の
尾を
曳いて、
其方此方の、
庭、
背戸、
空地は、
飛々の
谷とも
思はれるのに、
涼しさは
氣勢もなし。
其身が世の
名利に
拘はらねばなり、
此日見るもの
皆嬉しく、人の
為る
業を
有難く
思ひしは、朝の心の
快濶なりしうつりか、
其飛々の
独笑み
隅田の
春光今日新し。
駕「低い下駄なれば
飛々行かれましょう」
一
方は、ひしや/\とした、
何処までも
蘆原で、きよつ/\、きよつ/\、と
蘆一むらづゝ、
順に、ばら/\と、
又飛々に、
行々子が
鳴きしきつた。