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際涯
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さいがい
ふりがな文庫
“
際涯
(
さいがい
)” の例文
鶴見は海と共に
際涯
(
さいがい
)
もない感情を抱いてその画を丹念に見返し見返ししている。波と岩との争闘の
外
(
ほか
)
に火と海との相剋がそこにある。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
郊外
(
かうぐわい
)
に
際涯
(
さいがい
)
もなく
植
(
うゑ
)
られた
桃
(
もゝ
)
の
花
(
はな
)
が一
杯
(
ぱい
)
に
赤
(
あか
)
くなると
其
(
そ
)
の
木陰
(
こかげ
)
の
麥
(
むぎ
)
が
青
(
あを
)
く
地
(
ち
)
を
掩
(
おほ
)
うて、
江戸川
(
えどがは
)
の
水
(
みづ
)
を
溯
(
さかのぼ
)
る
高瀬船
(
たかせぶね
)
の
白帆
(
しらほ
)
も
暖
(
あたたか
)
く
見
(
み
)
えて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「なに出発ですか。……連れていって下さい。どこでも構いません。地獄の
際涯
(
さいがい
)
でもどこでも恐れやしません。ぜひ連れてって下さい」
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
運命の
限界
(
げんかい
)
がそこにあり、そのひとすじの河によって
遮
(
さえぎ
)
られた人生の行手には唯、
際涯
(
さいがい
)
もなくひろがる無があるだけである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
三月から四月への、坂東一帯の春の野の
麗
(
うらら
)
かさは言語に絶える。自然美の極致を、
際涯
(
さいがい
)
なき曠野の十方に
展
(
ひら
)
くのである。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そこは、見渡すかぎり、
際涯
(
さいがい
)
もない
大海原
(
おおうなばら
)
のまっただなかであった。ありえないことが起こったのだ。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
気宇
凜然
(
りんぜん
)
として山河を
凌銷
(
りょうしょう
)
し、万象
瑩然
(
えいぜん
)
として
清爽
(
せいそう
)
際涯
(
さいがい
)
を知らずと書物には書いてあります。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
哲理深奥にして
際涯
(
さいがい
)
なきが如き処
大
(
おおい
)
に我心を
牽
(
ひ
)
きたるなり。やや長じて常識を得るに及んで、未だ哲学を学ばず、先づ人智の極まる所、哲理の及ぶ所を見、自ら画して
曰
(
いわ
)
く知るべきのみと。
病牀譫語
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
又た学問復興の大思想家と人の言ふなるベーコンが「哲学遂に
際涯
(
さいがい
)
するところあらざるべし」と戯れたるも、
畢竟
(
ひつきやう
)
するに甚深甚幽なる人間の生涯をいかんともすべからざるが為めならんかし。
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
四辺は広く
際涯
(
さいがい
)
を見ず、ただ蒼々茫々と蒼白い光に照らされている。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
はてしない
際涯
(
さいがい
)
は自分のラヴアだ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
そこにはまだ源氏の
輩
(
ともがら
)
が多くいるという。また、富士山があって、
駿馬
(
しゅんめ
)
が多く産まれて、野は
際涯
(
さいがい
)
もなく広いという。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時にまた、彼は、家の裏の楽山へ登って行って、
渺々
(
びょうびょう
)
際涯
(
さいがい
)
なき大陸を終日ながめていた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
際涯
(
さいがい
)
のない山中を数日歩き迷っているという事は、嘘ではないかも知れません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“際涯”の意味
《名詞》
土地、物事の限界。果て。終わり。
(出典:Wiktionary)
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“際涯”で始まる語句
際涯無