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鉄鍋
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てつなべ
ふりがな文庫
“
鉄鍋
(
てつなべ
)” の例文
「お京さん、いきなり内の
祖母
(
ばあ
)
さんの背中を一つトンと
敲
(
たた
)
いたと思うと、
鉄鍋
(
てつなべ
)
の
蓋
(
ふた
)
を取って
覗
(
のぞ
)
いたっけ、
勢
(
いきおい
)
のよくない湯気が上る。」
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鉄の
釜
(
かま
)
、大きな
鉄鍋
(
てつなべ
)
、南部の
鉄瓶
(
てつびん
)
、金銀の
象眼
(
ぞうがん
)
のある南部鉄の
火箸
(
ひばし
)
。また桑材の
茶箪笥
(
ちゃだんす
)
、総桐の長火鉢、鏡台、春慶塗の卓その他で、小田滝三は眼をむいた。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
必然
変化
(
へんげ
)
の所為と悟り鉄砲を持ち
鉄鍋
(
てつなべ
)
の足を三つ欠き持ちて足蹟を追い山に入れば、極めて大なる白猴新産の子を食いおわり片手で妻の髪を掴み軽々と携えて走り行く
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
やがて、女中は
誂
(
あつら
)
えて置いた鳥の肉を大きな皿に入れて運んで来た。
紅
(
あか
)
くおこった火、熱した
鉄鍋
(
てつなべ
)
、沸き立つ
脂
(
あぶら
)
などを
中央
(
まんなか
)
にして、まだ明るいうちに姉弟は夕飯の
箸
(
はし
)
を取った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……しかしお
好
(
この
)
み
別誂
(
べつあつらへ
)
で
以
(
もつ
)
て、
鳥
(
とり
)
のブツ
切
(
ぎり
)
と、
玉葱
(
たまねぎ
)
と、
凍豆腐
(
こゞりどうふ
)
を
大皿
(
おほざら
)
に
積
(
つ
)
んだのを
鉄鍋
(
てつなべ
)
でね、
湯
(
ゆ
)
を
沸立
(
わきた
)
たせて、
砂糖
(
さたう
)
と
醤油
(
しやうゆ
)
をかき
交
(
ま
)
ぜて、
私
(
わたし
)
が
一寸
(
ちよつと
)
お
塩梅
(
あんばい
)
をして
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
炉には三本の
錆
(
さ
)
びた鉄棒が組んであって、これも錆びた古鎖で
吊
(
つ
)
った、平べったい
鉄鍋
(
てつなべ
)
が掛かってい、鍋の中には直径二十センチほどの、まるくて濃い茶色の、餅のような物が
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女中の説明によれば、それは野猪の脂を、
鉄鍋
(
てつなべ
)
に溶かして、その熱で
煎
(
い
)
り焼きにしたのだという。また掛け汁は、
茱萸
(
ぐみ
)
とやまももの実を煮詰めて、絞ったものだ、ということであった。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
鍋
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
“鉄”で始まる語句
鉄
鉄瓶
鉄漿
鉄槌
鉄砲
鉄棒
鉄扉
鉄格子
鉄鎚
鉄柵