釣下つりさ)” の例文
かくてもいまいかりは解けず、お村の後手うしろでくゝりたる縄のはし承塵なげしくぐらせ、天井より釣下つりさげて、一太刀斬附きりつくれば、お村ははツと我に返りて
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
盆前ぼんまへよりかけてあつさの時分じぶんをこれがときよと大汗おほあせになりての勉強べんきやうせはしなく、そろへたるとう天井てんぜうから釣下つりさげて、しばしの手數てすうはぶかんとてかずのあがるをたのしみに脇目わきめもふらぬさまあはれなり。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
われ想像さうざうつて、見惚みとれたたまはだえせなかとほして、坊主ばうずくろ法衣ころもうつる、とみづなか天守てんしゆうつばり釣下つりさげられた、姿すがたけものおそふ、おもかげ歴然あり/\た。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)