那樣そんな)” の例文
新字:那様
『いや、那樣そんな貴方あなたひませう。』と、イワン、デミトリチはおこして、心配しんぱいさうにまた冷笑的れいせうてきに、ドクトルをるのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もし(いゝやわることをしたおぼえもないから、那樣そんな氣遣きづかひちつともい。)とうありや、なん雨風あめかぜござらばござれぢや。なあ那樣そんなものではあるまいか。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こゝれられてゐるよりも貴方あなたつて奈何どうでせうか? わたくしこゝよりわるところいとおもひます。うならばなに貴方あなた那樣そんなおそれなさるのか?
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さもければ那樣そんなことをこはがると理窟りくつがないて。一體いつたいまへさんにかぎらず、乘合のりあひ方々かた/″\またうぢや、初手しよてからほど生命いのち危險けんのんだとおもツたら、ふねなんぞにらぬがいて。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なに那樣そんなよろこぶのかわたくしにはわけわかりません。』と、院長ゐんちやうはイワン、デミトリチの樣子やうす宛然まるで芝居しばゐのやうだとおもひながら、また其風そのふうひどつてふた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)