造作ざうさく)” の例文
あらひ居る者あるに付能々よく/\見るに同長屋の勘太郎と申者なれば怪敷あやしくおもひながら空知そしらふりに罷在し所右の勘太郎きふに二三十兩掛て造作ざうさくを致し道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
八五郎はに落ちない顏を擧げました。少し造作ざうさくの間伸びはしてますが、そのうちにも何となく仕込みの良い獵犬のやうな好戰的なところがあります。
たゞ若くて皺がよつてゐないといふだけで、同じやうな狹いひたい、同じやうな造作ざうさくの大きい顏立、同じやうな傲慢さであつた。但し、それは、そんな、陰氣な傲慢さではなかつた。
こといへは、風通かぜとほしもよし室取まどりもよし造作ざうさく建具たてぐごときも、こゝらにのきならべた貸家かしやとはおもむきちがつて、それ家賃やちんもかつかうだとくのに……不思議ふしぎしてるものが居着ゐつかない。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
○さて戯場しばゐ造作ざうさく成就じやうじゆしても春の雪ふりつゞきて連日れんじつはれを見ず、興行こうぎやうの初日のびる時は役者になりたる家はさら也、此しばゐを見んとて諸方に逗留とうりうきやくおほく毎日そらをながめてはれまちわび
○さて戯場しばゐ造作ざうさく成就じやうじゆしても春の雪ふりつゞきて連日れんじつはれを見ず、興行こうぎやうの初日のびる時は役者になりたる家はさら也、此しばゐを見んとて諸方に逗留とうりうきやくおほく毎日そらをながめてはれまちわび