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逆上
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ぎゃくじょう
ふりがな文庫
“
逆上
(
ぎゃくじょう
)” の例文
とかく金に限らず、位置でも名誉でも
己
(
おの
)
れに
帰
(
き
)
するときは、油断をすれば
逆上
(
ぎゃくじょう
)
してこれを利用するを忘れてただ
濫用
(
らんよう
)
に
陥
(
おちい
)
りやすい。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
嘲笑
(
ちょうしょう
)
罵声
(
ばせい
)
を聞くたびに千三は頭に血が
逆上
(
ぎゃくじょう
)
して目がくらみそうになってきた。かれが
血眼
(
ちまなこ
)
になればなるほど、安場のノックが猛烈になる。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
狼狽
(
ろうばい
)
の
極
(
きょく
)
、
逆上
(
ぎゃくじょう
)
したようになっている音松を案内して、若侍は、
予
(
かね
)
て
命令
(
いいつ
)
けられていたものらしく、ドンドン奥へ通って行く。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
教師が職業であるか、戦争が本務であるかちょっと分らないくらい
逆上
(
ぎゃくじょう
)
して来た。この逆上の頂点に達した時に
下
(
しも
)
の事件が起ったのである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし火を見たとたんに、
逆上
(
ぎゃくじょう
)
している頭では、七
間
(
けん
)
四方ばかりな
羽目板
(
はめいた
)
に、一つの出口がなかなか見つからない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
外「これ/\何だ、何を馬鹿を申す、少々
逆上
(
のぼせ
)
て
居
(
お
)
る様子、只今御酒を戴きましたので、惣衞
彼
(
かれ
)
に
成代
(
なりかわ
)
ってお詫をいたします、富彌儀
太
(
ひど
)
く
逆上
(
ぎゃくじょう
)
をして
居
(
お
)
る様子で」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は一時はひどく
逆上
(
ぎゃくじょう
)
してしまってぼんやりするほど混雑したり、むやみに苦笑したり、時には泣き出したり、それに色々なことをめまぐるしく考え出したのであるが
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
今この男女を接触せしめると、恋愛の伝わるのも伝熱のように、より
逆上
(
ぎゃくじょう
)
した男からより逆上していない女へ、両者の恋愛の等しくなるまで、ずっと移動をつづけるはずだろう。
寒さ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
五郎造はもう
逆上
(
ぎゃくじょう
)
してしまった。いきなり兵をかきのけて、
砲架
(
ほうか
)
によじのぼろうとした。
東京要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところで此愛子の若いことがまた
夥
(
おびただ
)
しい。強そうな事を言うて居て、まさかの時は腰がぬけます。
真闇
(
まっくら
)
に
逆上
(
ぎゃくじょう
)
します。鮮人騒ぎは如何でした? 私共の村でもやはり騒ぎました。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この時も先に述べたる共和党の大会と同じく、
容易
(
ようい
)
に
逆上
(
ぎゃくじょう
)
せぬこの国民にして初めて言論の自由も思想の自由も
享有
(
きょうゆう
)
すべきものと思った。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これは
正
(
まさ
)
しく熱湯の
中
(
うち
)
に長時間のあいだ我慢をして
浸
(
つか
)
っておったため
逆上
(
ぎゃくじょう
)
したに相違ないと
咄嗟
(
とっさ
)
の際に吾輩は鑑定をつけた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
じぶんたちから、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
にある
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
の部下と名のった
斧
(
おの
)
大九郎、それを見ると、かッと
逆上
(
ぎゃくじょう
)
したていである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気が
逆上
(
ぎゃくじょう
)
すると力が逆上して浮きたつ、だから弱くなる、腹をしっかりとおちつけると気が
臍下丹田
(
せいかたんでん
)
に
収
(
おさ
)
まるから
精神爽快
(
せいしんそうかい
)
、力が全身的になる、中心が腹にできる
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
上下をあげて今はもう狂犬みたいに
逆上
(
ぎゃくじょう
)
している——という、目下、大名仲間のもっぱらの噂である。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
彼は親のような心もちで、修理の
逆上
(
ぎゃくじょう
)
をいたわった。修理もまた、彼にだけは、比較的従順に振舞ったらしい。そこで、主従の関係は、林右衛門のいた時から見ると、遥に
滑
(
なめらか
)
になって来た。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さなきだに
犯罪
(
はんざい
)
や自殺多き夏の季節に、一万四千の
腕白者
(
わんぱくもの
)
が大都会の一堂に会合したことであり、群集心理の
特徴
(
とくちょう
)
として
逆上
(
ぎゃくじょう
)
しやすき時、出席者のうちの大多数は、
自称
(
じしょう
)
政治家
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
逆
常用漢字
小5
部首:⾡
9画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“逆上”で始まる語句
逆上性
逆上気味
逆上返
逆上方
逆上目
逆上薬
逆上引下
逆上氣味