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辿々
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たどたど
ふりがな文庫
“
辿々
(
たどたど
)” の例文
以上、老母からの手紙は、
辿々
(
たどたど
)
しい文ではあるが、大丸という大呉服店を通して、そのうらのお
店
(
たな
)
ものの奴隷生活がうつしだされている。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
俊吉は、
外套
(
がいとう
)
も
無
(
な
)
しに、番傘で、
帰途
(
かえり
)
を急ぐ
中
(
うち
)
に、雪で
足許
(
あしもと
)
も
辿々
(
たどたど
)
しいに附けても、心も空も
真白
(
まっしろ
)
に
跣足
(
はだし
)
というのが身に染みる。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
戸
(
かど
)
のお札をさえ見掛けての御難題、坊主に茶一つ恵み給うも功徳なるべし、わけて、この通り耳も
疎
(
うと
)
し、
独旅
(
ひとりたび
)
の
辿々
(
たどたど
)
しさもあわれまれよ。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お京の
爪皮
(
つまかわ
)
が雪を
噛
(
か
)
んで出た。まっすぐに
清水
(
きよみず
)
下の道へは出ないで、横に池について、褄はするすると
捌
(
さば
)
くが、足許の
辿々
(
たどたど
)
しさ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
膝を
露顕
(
あらわ
)
な素足なるに、恐ろしい
深山路
(
みやまじ
)
の霜を踏んで、あやしき神の
犠牲
(
にえ
)
に
行
(
ゆ
)
く……なぜか畳は
辿々
(
たどたど
)
しく、ものあわれに見えたのである。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
早瀬より、忍び足する夫人の駒下駄が、かえって
戦
(
おのの
)
きに音高く、
辿々
(
たどたど
)
しく
四辺
(
あたり
)
に響いて、やがて
真暗
(
まっくら
)
な軒下に導かれて、そこで留まった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
杖を
径
(
こみち
)
に
突立
(
つきた
)
て/\、
辿々
(
たどたど
)
しく
下闇
(
したやみ
)
を
蠢
(
うごめ
)
いて
下
(
お
)
りて、城の
方
(
かた
)
へ去るかと思へば、のろく
後退
(
あとじさり
)
をしながら、
茶店
(
ちゃみせ
)
に向つて、
吻
(
ほっ
)
と、
立直
(
たちなお
)
つて
一息
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
く。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
杖を
径
(
こみち
)
に突立て突立て、
辿々
(
たどたど
)
しく
下闇
(
したやみ
)
を
蠢
(
うごめ
)
いて下りて、城の
方
(
かた
)
へ去るかと思えば、のろく
後退
(
あとじさり
)
をしながら、茶店に向って、
吻
(
ほっ
)
と、立直って一息
吐
(
つ
)
く。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新しい
檜
(
ひのき
)
の雨戸、それにも顔が描かれそう。
真直
(
まっすぐ
)
に向き直って、
衝
(
つ
)
と
燈
(
ともしび
)
を差出しながら、
突
(
つき
)
あたりへ
辿々
(
たどたど
)
しゅう。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、あとへ
退
(
さが
)
って、南面に、
不忍
(
しのばず
)
の池を真向いに、高欄の縁下に添って通ると、欄干の高さに、御堂の光明が遠くなり、樹の根、岩角と思うまで、
足許
(
あしもと
)
が
辿々
(
たどたど
)
しい。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勿論江戸時代、寛政、明和の頃に、見もし聞きもした不思議な話を筆写したものでありますが、伝写がかさなっているらしく、草行まじりで、丁寧だけれども筆耕が
辿々
(
たどたど
)
しい。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこを伝う風も、我ながら
辿々
(
たどたど
)
しかった。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青月代は
辿々
(
たどたど
)
しく
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
辿
漢検準1級
部首:⾡
7画
々
3画
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