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辻々
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つじつじ
ふりがな文庫
“
辻々
(
つじつじ
)” の例文
演説会のビラが電信柱や
辻々
(
つじつじ
)
にはりだされ、家々は運動員の応接にせわしく、料理屋には同志会専属のものと立憲党専属のものとができた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
きょろきょろ見廻して来ると所々の
辻々
(
つじつじ
)
に講演の看板と云いますか、広告と云いますか、夏目漱石君などと云うような名前が墨黒々と書いて壁に
貼
(
は
)
りつけてある。
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう出陣の支度をはじめたとみえ、活気のあるざわめきが
辻々
(
つじつじ
)
に
漲
(
みなぎ
)
っている。かれは追われるような気持でその街並を駆っていたが、石川備後の屋敷へ来ると馬をおりた。
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
到る処
辻々
(
つじつじ
)
の群衆に対して、次の年の
吉凶禍福
(
きっきょうかふく
)
を、神の言葉として触れあるいたようである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ポスターの
貼
(
は
)
り出された翌朝、それらの
辻々
(
つじつじ
)
は、又別の意味で、黒山の人だかりであった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
会社の
徽章
(
きしょう
)
の附いた帽を
被
(
かぶ
)
って、
辻々
(
つじつじ
)
に立っていて、手紙を市内へ届けることでも、途中で買って邪魔になるものを自宅へ持って帰らせる事でも、何でも受け合うのが伝便である。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
また
辻々
(
つじつじ
)
には毒蛾の記事に赤インクで圏点をつけたマリオの新聞もはられてゐました。
毒蛾
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
須田町
(
すだちょう
)
を通って両国橋の方へつづく電車通りにかけて年の暮れに押し迫った人の
往来
(
ゆきき
)
忙しく、売出しの広告の楽隊が人の出盛る
辻々
(
つじつじ
)
や勧工場の二階などで騒々しい音を立てていた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
辻々
(
つじつじ
)
には彼の首が百両で買い上げられるという高札まで建てられた人だ。水戸における天狗党と諸生党との激しい党派争いを想像するものは、直ちにその侍の位置を思い知るであろう。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
声もなく眠っている
京
(
きょう
)
の町は、加茂川の
水面
(
みのも
)
がかすかな星の光をうけて、ほのかに白く光っているばかり、大路小路の
辻々
(
つじつじ
)
にも、今はようやく
灯影
(
ほかげ
)
が絶えて、
内裏
(
だいり
)
といい、すすき原といい
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
赤いショールを掛けて
素足
(
すあし
)
に
短靴
(
たんぐつ
)
をはいた特殊な婦人がまるで蝙蝠のように
辻々
(
つじつじ
)
を素早く走り廻っているような
市
(
まち
)
ではどこでもこの時刻にはつきものの、或る種の場面や会話が持ちあがっていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
昼
(
ひる
)
ならばいうまでもなく、
甲州盆地
(
こうしゅうぼんち
)
はそこから一
眸
(
ぼう
)
のうちに見わたされて、
帯
(
おび
)
のごとき
笛吹川
(
ふえふきがわ
)
、とおい
信濃境
(
しなのざかい
)
の山、すぐ目の下には
城下
(
じょうか
)
の町や
辻々
(
つじつじ
)
の人どおりまでが、
豆
(
まめ
)
つぶのごとく見えるであろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜は、橋の
袂
(
たもと
)
や
辻々
(
つじつじ
)
に銃剣つきの兵隊や警官が
頑張
(
がんば
)
った。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
いろいろな
感慨
(
かんがい
)
が胸にあふれて歩くともなく歩いてくると、かれは町の
辻々
(
つじつじ
)
に数名の巡査が立ってるのを見た、町はなにやら騒々しく、いろいろな人が往来し
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
二日目には、恒川警部の発案になる、奇妙なポスターが浅草
界隈
(
かいわい
)
の
辻々
(
つじつじ
)
に、ベタベタと
貼
(
は
)
り出された。ポスターのまん中には画家に描かせた人間
豹
(
ひょう
)
恩田の似顔が、実物の二倍の大きさで印刷してある。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
辻々
(
つじつじ
)
の高札場をはいでまわり、市民に諭告をくれてまわった
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
辻々
(
つじつじ
)
に配って警戒に当るよう
いしが奢る
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
辻
漢検準1級
部首:⾡
6画
々
3画
“辻”で始まる語句
辻
辻褄
辻占
辻斬
辻馬車
辻駕籠
辻堂
辻待
辻君
辻番所