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はねあが
ふりがな文庫
“
跳上
(
はねあが
)” の例文
新田は椅子から
跳上
(
はねあが
)
った。然しその時、怪鳥は両の翼で彼を
押包
(
おしつつ
)
み、新田は喉へ冷たいものが鋭く掴みかかるのを感じたまま椅子と共に
反
(
のけ
)
ざまに
顛倒
(
てんとう
)
した。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
竹馬の友の万年博士は一躍専門学務局長という勅任官に
跳上
(
はねあが
)
って肩で風を切る勢いであったから、公務も忙がしかったろうが、二人の間に何か衝突もあったらしく
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
親切ごかしや障子の穴の猿どもがぽんぽんと手玉にとられて宙に
跳上
(
はねあが
)
るところを見たら、さぞかし胸のすくおもいがするだろう——私は、彼らの話題などには耳もかさず
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
それはそうと……彼はベッドから
跳上
(
はねあが
)
ると、五六歩進んでテーブルの前に
行
(
ゆ
)
き、緑罫の原稿用紙を一枚取ると、ぶっつけに、やや
自棄
(
やけ
)
気味にもなって、次のような題を書いた。
幸福な家庭
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
一度はいつか、二日酔の朝、胸が
上下
(
うえした
)
に
跳上
(
はねあが
)
り
動悸
(
どうき
)
をうつと、
仰向
(
あおむ
)
けに寝ていて、茶の間の、めくり暦の赤い処が血を噴いた女の切首になって飛上り飛下りしたのを忘れない。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
雷
(
かみなり
)
の音は少し遠くなったが、雨は却て
礫
(
つぶて
)
を打つように一層激しく降りそそいで来た。軒先に掛けた日蔽の下に居ても
跳上
(
はねあが
)
る
飛沫
(
しぶき
)
の烈しさに、わたくしはとやかく言う
暇
(
いとま
)
もなく内へ這入った。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これに続く黒い影は
後
(
うし
)
ろに廻るかと思う間もなく吾輩の
尻尾
(
しっぽ
)
へぶら下がる。
瞬
(
またた
)
く間の出来事である。吾輩は何の目的もなく器械的に
跳上
(
はねあが
)
る。満身の力を毛穴に込めてこの怪物を振り落とそうとする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
跳上
(
はねあが
)
りて
突立
(
つったち
)
たり。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
鯊
(
はぜ
)
を
見着
(
みつ
)
けたが、
買
(
か
)
はうと
思
(
おも
)
ふと、いつもは
小清潔
(
こぎれい
)
な
店
(
みせ
)
なんだのに、
其
(
そ
)
の
硝子蓋
(
がらすぶた
)
の
中
(
なか
)
は、と
見
(
み
)
るとギヨツとした。
眞黒
(
まつくろ
)
に
煮
(
に
)
られた
鯊
(
はぜ
)
の、
化
(
ば
)
けて
頭
(
あたま
)
の
飛
(
と
)
ぶやうな、
一杯
(
いつぱい
)
に
跳上
(
はねあが
)
り
飛𢌞
(
とびまは
)
る
蠅
(
はへ
)
であつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかし、間もなく龍介は兎のように
跳上
(
はねあが
)
った。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
声を掛けられると、
跳上
(
はねあが
)
って、船を
揺
(
ゆす
)
ること
木
(
こ
)
の葉のごとし。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
志津子は
跳上
(
はねあが
)
って叫んだ。
海浜荘の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
跳
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“跳”で始まる語句
跳
跳梁
跳起
跳躍
跳返
跳出
跳梁跋扈
跳付
跳足
跳込