トップ
>
赤髯
>
あかひげ
ふりがな文庫
“
赤髯
(
あかひげ
)” の例文
それは、茶いろの少しぼろぼろの
外套
(
がいとう
)
を着て、白い
巾
(
きれ
)
でつつんだ荷物を、二つに分けて肩に
掛
(
か
)
けた、
赤髯
(
あかひげ
)
のせなかのかがんだ人でした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
同席の自分とびた公以外の同席に七人の客がいるが、そのうちの四人が日本人で、二人が
赤髯
(
あかひげ
)
で、他の一人は目玉の
碧
(
あお
)
い女でした。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おれはここに残るよ」と登は答えた、「おれをここへ入れたのは
赤髯
(
あかひげ
)
先生だからな、その責任は先生にとってもらうよ」
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
博士は、低過蒸気機関の前で、
椅子
(
いす
)
に腰かけたまま、こくりこくり居眠りしている、
呑気
(
のんき
)
な
赤髯
(
あかひげ
)
の機関士の前に立って
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
此の豪快な
赤髯
(
あかひげ
)
詩人も、自己の作品の中に於てなら、友情が家庭や妻のために
蒙
(
こうむ
)
らねばならぬ変化を充分冷静に観察できた筈だのに、今、実際眼の前で
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
赤毛
赤髯
(
あかひげ
)
の兵卒は、後ずさりに、出て行った。その手には、典韋の
戟
(
ほこ
)
を、いつのまにか奪りあげて持っていた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こう、情無いことを謂いなさんな。
私
(
わっち
)
ゃこんなものでもね、日本が大の
贔屓
(
ひいき
)
さ。何の
赤髯
(
あかひげ
)
、糞でも
喰
(
くら
)
えだ。ええその金時計は
直
(
すぐ
)
に
強奪
(
ひったく
)
って持って来やす。」
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤髯
(
あかひげ
)
の大佐だったがな、そいつが何のかの難癖つけて困るから、番頭をやって例の菓子箱を出すと、ばかめ、
賄賂
(
わいろ
)
なんぞ取るものか、軍人の体面に関するなんて威張って
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「あすこに
赤髯
(
あかひげ
)
の男がいるだろう。いよいよやっつける時にはあの男が合い図をするんだぜ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
是公の会話の下手な事は
天品
(
てんぴん
)
と云うくらいなものだから、不思議に思って、御前は平生ここに
出入
(
でいり
)
して
赤髯
(
あかひげ
)
と交際するのかと聞いたら、まあ来た事はないなと澄ましている。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは、茶いろの少しぼろぼろの
外套
(
がいとう
)
を
着
(
き
)
て、白い
巾
(
きれ
)
でつつんだ
荷物
(
にもつ
)
を、二つに分けて
肩
(
かた
)
に
掛
(
か
)
けた、
赤髯
(
あかひげ
)
のせなかのかがんだ人でした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、その中から、此の家の主人らしい
赤髯
(
あかひげ
)
の男が出て来て、暫く趙の父親と何やら話をしてから、奥へ引込んだ。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
なにしろ患者は
蚤
(
のみ
)
と
虱
(
しらみ
)
のたかった、
腫物
(
はれもの
)
だらけの、臭くて
蒙昧
(
もうまい
)
な貧民ばかりだし、給与は最低だし、おまけに昼夜のべつなく
赤髯
(
あかひげ
)
にこき使われるんですからね
赤ひげ診療譚:01 狂女の話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
赤髯
(
あかひげ
)
の大きな
脂
(
あぶら
)
ぎったでぶでぶの洋服男が一つ現われて、いきなり、裸体婦人の後ろから
羽掻
(
はがい
)
じめにして、その髯だらけの面を美人の頬へ押しつけて、あろうことか
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
呆
(
あき
)
れて籠をおろして腰をかけ弁当をたべはじめましたら一人の
赤髯
(
あかひげ
)
の男がせはしさうにやって来ました。
車
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あの
赤髯
(
あかひげ
)
と
碧
(
あお
)
い眼で、日本娘さんと道行なんて、ドコまでそんなフザけた
洒落
(
しゃれ
)
が
利
(
き
)
くものか、いくら奥州の果てにしたところで、あれで晴れての道中ができたらお慰み
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は
赤髯
(
あかひげ
)
に屈服したのである。
赤ひげ診療譚:02 駈込み訴え
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
きちんと起きてゐるのはさつきの窓のそばの一人の青年と客車の
隅
(
すみ
)
でしきりに鉛筆をなめながらきよときよと聴き耳をたてて何か書きつけてゐるあの
痩
(
やせ
)
た
赤髯
(
あかひげ
)
の男だけでした。
氷河鼠の毛皮
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
大商人の隣席にいた
赤髯
(
あかひげ
)
が、
片言
(
かたこと
)
の日本語でほめました。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「息
吐
(
つい
)
だぞ。眼
開
(
あ
)
ぃだぞ。」一郎のとなりの家の
赤髯
(
あかひげ
)
の人がすぐ一郎の頭のとこに
曲
(
かが
)
んでゐてしきりに一郎を起さうとしてゐたのです。そして一郎ははっきり眼を開きました。
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
向ふ
隅
(
すみ
)
ではあの
痩
(
やせ
)
た
赤髯
(
あかひげ
)
の男が眼をきよろきよろさせてみんなの話を聞きすまし
氷河鼠の毛皮
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“赤髯”で始まる語句
赤髯奴