貴下きか)” の例文
「長良川博士よ。貴下きかのおっしゃる意味は、これから大西洋のどこかに、新しい火山が噴火をはじめるだろうというのですかな」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
いま海底戰鬪艇かいていせんとうてい成敗せいばい一身いつしんになへる貴下きか身命しんめいは、吾等われら身命しんめいして、幾十倍いくじふばい日本帝國につぽんていこくため愛惜あいせきすべきものなり。
だが、貴下きかはやがて、如何なる警戒も我々の前には全く無力であることを悟られるであろう。我々は一度思い立った事は必ずしとげる習慣ならわしである。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「どうも有り難う。いずれ身元がわかったらお知らせします。あ……それから貴下きかは岩形氏の住所を御存じですか」
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
貴下きかに serve する、すなわち用に立つことあらばあまんじて従う」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
郵便局員貴下きか御心安おこころやすかれ、受取人の立田織次たつたおりじも、同国おなじくにの平民である。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
難船なんせん? それはなんですか、本船ほんせんにはえず海上かいじやう警戒みは當番たうばん水夫すゐふがあるです、あへ貴下きかはずらはすはづいです。』
けい。しばらくでしたネ。しばらく会わないうちに、貴下きか眼力がんりきはすっかり曇ったようだ。日比谷公園の吸血屍体の犯人を痣蟹の仕業しわざとみとめるなどとは何事だ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
余がいかなる人物であるかは、貴下きかも新聞紙上にてご承知であろう。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
××大使の紹介の下に貴下きかに会いたがっている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
貴下きかの柔順なる忠僕ちゅうぼく
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いまつばかりなり。すなはなん貴下きかもとほうず、稻妻いなづまさひはひせずして、貴下きかこのしよていするをば、大佐たいさよ、はかりごとめぐらして吾等われら急難きふなんすくたまへ。