“言句(もんく)” の例文
「言句(もんく)ばかり言ってるさ、構わないでおくが可(い)い。なあに汝(おまえ)が先へ来たって何も仔細(しさい)はなかろうじゃないか。」
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
列車(れつしや)の給仕(きふじ)の少年(せうねん)は——逢(あ)ひに行(ゆ)く——東區(ひがしく)某町(ぼうちやう)、矢太(やた)さんの右(みぎ)の高等御下宿(かうとうおんげしゆく)へあてた言句(もんく)を見(み)ながら
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
言句(もんく)は言わないまでも、苦い顔をして、髯(ひげ)の中から一睨(ひとにら)み睨むに違いはないんですもの、難有(ありがた)くないわ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もう可いからお泣きでない。通貨(なま)が無いからそれを曲入(まげ)て、人身御供(ひとみごくう)を下げておいで、仁三が何か言句(もんく)をいおう。謂ったら私の名をいいな。」薄着になりし情(なさけ)の厚さ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「黙って、見るこッた、折角お珍らしいのに言句(もんく)をいってると古くしてしまう。」といいながら、急いで手巾(ハンケチ)を解(ほど)いて、縁の上に拡げたのは、一掴(つかみ)、青い苔(こけ)の生えた濡土である。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
迷惑や気の毒を勘酌(しんしゃく)して巾着切が出来るものか。真人間でない者に、お前(めえ)、道理を説いたって、義理を言って聞かしたって、巡査(おまわり)ほどにも恐くはねえから、言句(もんく)なしに往生するさ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
秋の仁和賀(にわか)にも引(ひけ)を取らず、座敷へ出ても押されぬ一本、地(じ)は清元で、振(ふり)は花柳(はなやぎ)の免許を取り、生疵(なまきず)で鍛え上げて、芸にかけたら何でもよし、客を殺す言句(もんく)まで習い上げた蝶吉だ、さあ来い!
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いやみな色気だ、袖屏風(そでびょうぶ)で倒れやがる、片膝はみ出させた、蹴出(けだ)しでね。「騒ぐな。」と言句(もんく)は凄(すご)いぜ、が、二人とも左右に遁(に)げてね、さて、身体から珊瑚(さんご)の五分珠(ごぶだま)という釵(かんざし)を借りたんだがね。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬鹿も通越した、自棄(やけ)な言句(もんく)を切出して
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私に言句(もんく)のあろう筈はありません。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)