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見紛
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みまご
ふりがな文庫
“
見紛
(
みまご
)” の例文
と云いながら、
透
(
すか
)
して九日の
夜
(
よ
)
の月影に見れば、一人は田中の中間喧嘩の龜藏、
見紛
(
みまご
)
う
方
(
かた
)
なき面部の
古疵
(
ふるきず
)
、一人は元召使いの相助なれば、源次郎は二度
恟
(
びっく
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竜巻がまだ
真暗
(
まっくら
)
な、雲の下へ、浴衣の袖、裾、
消々
(
きえぎえ
)
に、
冥土
(
めいど
)
のように追立てられる女たちの、これはひとり、
白鷺
(
しらさぎ
)
の
雛
(
ひな
)
かとも
見紛
(
みまご
)
うた、世にも美しい娘なんです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紅白の美しい水鳥が、とまどいをして、ゴンドラの上に
暫
(
しば
)
し
蹼
(
みずかき
)
を休めているかと、
見紛
(
みまご
)
う
許
(
ばか
)
りだ。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
たちまちに見る前面、後方、ふた手に分れて来る雪か人馬かと
見紛
(
みまご
)
うばかりな鉄甲陣。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが自分と同じことに
僧形
(
そうぎょう
)
をしている人物であると見て、なお不思議に思いながら近づいて見ると意外、それは頭と顔の円いので
見紛
(
みまご
)
うべくもあらぬ師家の慢心和尚であろうとは。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
庭は
一隅
(
ひとすみ
)
の
梧桐
(
あおぎり
)
の繁みから次第に暮れて来て、ひょろ
松
(
まつ
)
檜葉
(
ひば
)
などに
滴
(
したた
)
る
水珠
(
みずたま
)
は夕立の後かと
見紛
(
みまご
)
うばかりで、その
濡色
(
ぬれいろ
)
に夕月の光の薄く映ずるのは何とも
云
(
い
)
えぬすがすがしさを
添
(
そ
)
えている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
西方
(
さいほう
)
よりは牛かと
見紛
(
みまご
)
うばかりの
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
美女ヶ原へ
行
(
ゆ
)
きますと、十里
南
(
みなみ
)
の
能登
(
のと
)
の
岬
(
みさき
)
、七里
北
(
きた
)
に
越中立山
(
えっちゅうたてやま
)
、
背後
(
うしろ
)
に
加賀
(
かが
)
が見晴せまして、もうこの
節
(
せつ
)
は、
霞
(
かすみ
)
も霧もかかりませんのに、
見紛
(
みまご
)
うようなそれらしい花の
梢
(
こずえ
)
もござんせぬが
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
紛
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見透
見做
見当