たもと)” の例文
おもひせまつて梅川うめかはは、たもとをだいてよろ/\よろ、わたしはうへよろめいて、はつとみとまつて、をあげたときしろゆびがかちりとつたのです。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
するとそのたもとを素早く掴んだ若旦那様は、お八代さんを又、ドッカリと畳の上に引据えまして、やはりギョロギョロと顔を見ておられたと思うと
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と庭へ下りて、無地の手拭を取って面部を包み、跣足はだしで出てきますからお町はおど/\しながらたもとすが
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
堅く洋服に身を包んだ老紳士のあとに高貴な衣服のすそさばいて四十先位いな夫人らしい女が続き、次に青いショールをした十九か二十程の令嬢、その後に令嬢の長いたもと
動かぬ女 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
愈〻いよ/\平地へいちはなれて山路やまぢにかゝると、これからがはじまりとつた調子てうし張飛巡査ちやうひじゆんさ何處どこからか煙管きせる煙草入たばこいれしたがマツチがない。關羽くわんうもつない。これを義母おつかさんおもむろたもとから取出とりだして
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)