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藁蒲団
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わらぶとん
ふりがな文庫
“
藁蒲団
(
わらぶとん
)” の例文
清江は稲刈からちょっと帰って来るとその暇を見て、自分の長男の嫁の新しい
藁蒲団
(
わらぶとん
)
を作りかえてやっている。実に手早い。
夜の靴:――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
あけた窓、しめた窓、暖炉のすみ、
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
、
普通
(
なみ
)
の椅子、
床几
(
しょうぎ
)
、腰掛け、
羽蒲団
(
はねぶとん
)
、綿蒲団、
藁蒲団
(
わらぶとん
)
、何にでもきまった金をかけておくことだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その日蔽いの下にあたる舗石の上に、白い
藁蒲団
(
わらぶとん
)
が敷いてあった。そしてその上に、やはり真白な毛布にくるまった一人の若い紳士が横たわっていたのである。
心臓盗難:烏啼天駆シリーズ・2
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
大英国は
羨
(
うらや
)
むべき国よなど
密
(
ひそ
)
かに思ひ申し
候
(
さふらふ
)
。この
甲板
(
かふばん
)
へ
藁蒲団
(
わらぶとん
)
敷き詰めて
角力
(
すまふ
)
の催しなどもありしよしに
候
(
さふらふ
)
。私の室
附
(
づき
)
の山中は五人抜きの勝利を得し
由
(
よし
)
に
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その次には厚い
藁蒲団
(
わらぶとん
)
と絹蒲団を高々と重ねた上に、仰向けに寝ている歌原未亡人の枕元に
匍
(
は
)
い寄って、そのツンと
聳
(
そび
)
えている鼻の穴の前に、ソーッと瓶の口を近づけたが
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
かかる
苦
(
くるし
)
き
枕頭
(
まくらもと
)
に彼は又驚くべき事実を
見出
(
みいだ
)
しつつ、
飜
(
ひるが
)
へつて己を顧れば、測らざる累の既に
逮
(
およ
)
べる迷惑は、その
藁蒲団
(
わらぶとん
)
の内に
針
(
はり
)
の包れたる心地して、今なほ彼の病むと謂はば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
同時に
昨日
(
きのう
)
まで
彽徊
(
ていかい
)
した
藁蒲団
(
わらぶとん
)
も
鶺鴒
(
せきれい
)
も秋草も
鯉
(
こい
)
も小河もことごとく消えてしまった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と野鍛冶の夫婦も仕方なく、次郎にうすい
藁蒲団
(
わらぶとん
)
を
被
(
かぶ
)
せて、程なく明りを消しました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、把握力が加わってくるらしく、毛布を掴んだまま、俊太郎の身体ぐるみ、じりじりと、自分の方へ引寄せて、両手で、胸を抱くように——右手は、
藁蒲団
(
わらぶとん
)
ぐるみ、強烈な力で、引寄せかけた。
ロボットとベッドの重量
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
そのほか、出入り口の穴を隠したり、日に二十遍も石を出したり入れたり、
藁蒲団
(
わらぶとん
)
の中に
漆喰
(
しっくい
)
の欠けをしまい込んだりするのは、言わずものことだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
あの特等病室の汚れた
藁蒲団
(
わらぶとん
)
を、人夫が来て片付ける筈ですから、その時に私が立ち会って
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
余は特に余のために造って貰った高さ一尺五寸ほどの偉大な
藁蒲団
(
わらぶとん
)
に佇ずんだ。静かな庭の
寂寞
(
せきばく
)
を破る
鯉
(
こい
)
の水を切る音に佇ずんだ。
朝露
(
あさつゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れた
屋根瓦
(
やねがわら
)
の上を
遠近
(
おちこち
)
と尾を
揺
(
うご
)
かし歩く
鶺鴒
(
せきれい
)
に佇ずんだ。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
荷造り用の箱みたいなものが——おそらく棺かも知れないが——
戸棚
(
とだな
)
の代わりになっており、バタの
壺
(
つぼ
)
が
水桶
(
みずおけ
)
の代わりとなり、一枚の
藁蒲団
(
わらぶとん
)
が寝床となり
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
藁
漢検準1級
部首:⾋
17画
蒲
漢検準1級
部首:⾋
13画
団
常用漢字
小5
部首:⼞
6画
“藁”で始まる語句
藁
藁草履
藁葺
藁屋
藁屑
藁屋根
藁沓
藁束
藁苞
藁人形