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薄氣味惡
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うすきみわる
助けられしは
嬉しく思ひしが是また同じく
勾引か
盜人にてあるべし如何して
能らんやと
薄氣味惡く
胡亂々々するを見て半四郎は是を
凄然たる
月、
塀の
上の
釘、
監獄、
骨燒場の
遠い
焔、アンドレイ、エヒミチは
有繋に
薄氣味惡い
感に
打たれて、しよんぼりと
立つてゐる。と
直後に、
吐と
計り
溜息の
聲がする。
おや/\
裏庭の
榎の
大木の
彼の
葉が
散込むにしては
風もないがと、
然う
思ふと、はじめは
臆病で
障子を
開けなかつたのが、
今は
薄氣味惡くなつて
手を
拱いて、
思はず
暗い
天井を
仰いで
耳を
澄ました。
出て
戻る頃漸々東が
白み出し雨も
小降に成たる故
浮羅々々戻る
向より
尻つぺた迄
引端打古手拭で
頬冠り
傘をも指ずに
濡しよぼ
垂小脇差をば後ろへ廻し
薄氣味惡き
坊主奴が來るのを見れば長庵故
傘を