“葡萄棚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶどうだな87.5%
ぶだうだな12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは彼が少年の頃、死別れた一人の姉の写真だったが、葡萄棚ぶどうだなの下にたたずんでいる、もの柔かい少女の姿が、今もしきりになつかしかった。
永遠のみどり (新字新仮名) / 原民喜(著)
入口の庭には葡萄棚ぶどうだながあり裏には野菜ばたけのあるような田舎風の家で、岸本は巴里の方から来た主婦や主婦の姪と一緒に成った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は又、その家の周囲まはりかんばしいにほひを放ついろいろの草花を植えた。彼の部屋の、書卓テーブルゑてある窓へ、葡萄棚ぶだうだなの葉蔭をれる月の光がちら/\とし込んだ。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
裏庭うらにはとおもふあたり、はるおくかたには、のやゝれかゝつた葡萄棚ぶだうだなが、かげさかしまにうつして、此處こゝもおなじ溜池ためいけで、もんのあたりから間近まぢかはしへかけて、透間すきまもなく亂杭らんぐひつて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)