花籃はなかご)” の例文
あんずるに、火の原因おこりは、昼、初春はるうたげに、たくさんな花籃はなかごが持ち込まれており、上には、蝶花の祭りかんざしがたくさんしてあったが、かごの底には、硫黄いおう焔硝末えんしょうまつ、火薬玉などが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今朝ほど、背負上しょいあげを高くいたして、草鞋わらじ穿きましてね、花籃はなかごを担ぎました、容子ようすい、美しい姉さんが、あの小さなお扇子を手に持って、」と言懸いいかかると、何と心得たものか
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其中そのうち綺麗きれい支那製しなせい花籃はなかごのなかへ炭團たどん一杯いつぱいつてとこかざつたと滑稽こつけいと、主人しゆじん編上あみあげくつのなかへみづんで、金魚きんぎよはなしたと惡戲いたずらが、宗助そうすけには大變たいへんみゝあたらしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのうち綺麗きれいな支那製の花籃はなかごのなかへ炭団たどんを一杯って床の間に飾ったと云う滑稽こっけいと、主人の編上の靴のなかへ水を汲み込んで、金魚を放したと云う悪戯いたずらが、宗助には大変耳新しかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女はの上へ右左、幅広く引掛ひっかけた桃色の紐に両手をはさんで、花籃はなかご揺直ゆりなお
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)