艶々つや/\)” の例文
旧字:艷々
あゝ、あの、手遊てあそびの青首あをくびかもだ、とると、つゞいて、さまそでしたけたのは、黄色きいろに、艶々つや/\とした鴛鴦をしどりである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのくせ、皮膚の色は、それや真つ白で、艶々つや/\してゐて、女だつたらつて思うくらゐよ。妙なもんよ、それや……。
モノロオグ (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
雛児の卅も取り出すうちには、顔も艶々つや/\しくなる上に、立派な芸さへ覚える事が出来る。
胃弱者に見るやうな蒼黒い顏つきの、細つこい亭主にひきかへて、がつしりと恰幅かつぷくのいゝ、顏色も艶々つや/\して、造作もはつきりしてゐるし、男性的の聲はあけつ放しの性質そのまゝであつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
そこへ入つて来た福来博士は吃驚びつくりして艶々つや/\した夫人の顔を見てゐたが、やつとそれが自分の最愛の妻だと判ると、実験心理学でごちや/\になつた頭を鄭寧ていねいに下げてお辞儀を一つした。
大丈夫だいぢやうぶ、よく御覧ごらんなさい、あのれたやうに艶々つや/\くろくすごいなかに……」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「馬鹿に艶々つや/\した顔をしてるぢやないか、何を食つてるんだね、近頃は。」
二人寢ふたりねゆつたりとした立派りつぱなもので、一面いちめんに、ひかりつた、なめらかに艶々つや/\した、ぬめか、羽二重はぶたへか、とおもあは朱鷺色ときいろなのを敷詰しきつめた、いさゝふるびてはえました。が、それはそらくもつて所爲せゐでせう。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)