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肴町
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さかなまち
ふりがな文庫
“
肴町
(
さかなまち
)” の例文
私は
肴町
(
さかなまち
)
を通るたびに、その寺内へ入る
足袋屋
(
たびや
)
の角の細い
小路
(
こうじ
)
の入口に、ごたごた
掲
(
かか
)
げられた四角な軒灯の多いのを知っていた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
誕生を迎えたばかりの赤ん坊をさらわれた
肴町
(
さかなまち
)
の
煙草
(
たばこ
)
屋さんだって商売もできなくなって店をしまったっていうじゃないか。
少年探偵呉田博士と与一
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
遠
(
とほ
)
きその
昔
(
むかし
)
は
知
(
し
)
らず、いまの
男
(
をとこ
)
は、
牛込南榎町
(
うしごめみなみえのきちやう
)
を
東状
(
ひがしざま
)
に
走
(
はし
)
つて、
矢來
(
やらい
)
中
(
なか
)
の
丸
(
まる
)
より、
通寺町
(
とほりてらまち
)
、
肴町
(
さかなまち
)
、
毘沙門前
(
びしやもんまへ
)
を
走
(
はし
)
つて、
南
(
みなみ
)
に
神樂坂上
(
かぐらざかうへ
)
を
走
(
はし
)
りおりて
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この掛合ひが濟んで、芦名光司が歸つて行くと、間もなく
肴町
(
さかなまち
)
の津志田家へ行つた筈の八五郎が戻つて來ました。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたくしはお石さんに
暇乞
(
いとまごひ
)
をして、小間物屋の帳場を辭した。小間物屋は牛込
肴町
(
さかなまち
)
で當主を淺井平八郎さんと云ふ。初め石は師岡久次郎に嫁して
一人女
(
ひとりむすめ
)
京を生んだ。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
本郷の
肴町
(
さかなまち
)
にある南天堂と云う書店の二階が
仏蘭西
(
フランス
)
風なレストランで、そこには毎晩のように色々な文人が集りました。辻潤氏や、
宮嶋資夫
(
みやじますけお
)
氏や
片岡鉄兵
(
かたおかてっぺい
)
氏などそこで知りました。
文学的自叙伝
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
肴町
(
さかなまち
)
十三日町
賑
(
にぎわ
)
い
盛
(
さかん
)
なり、
八幡
(
はちまん
)
の祭礼とかにて
殊更
(
ことさら
)
なれば、見物したけれど足の痛さに
是非
(
ぜひ
)
もなし。この日岩手富士を見る、また北上川の源に沼宮内より
逢
(
あ
)
う、共に
奥州
(
おうしゅう
)
にての名勝なり。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三日目かの朝、
駒込
(
こまごめ
)
の
肴町
(
さかなまち
)
の坂上へ出て見ると、道路は不安
気
(
げ
)
な顔付をした人で一杯である。その間を警視庁の騎馬巡査が一人、人々を左右に散らしながら、遠くの坂下から
馳
(
か
)
け上って来た。
流言蜚語
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
斯う考へると、
浅猿
(
あさま
)
しく悲しく成つて、すた/\
肴町
(
さかなまち
)
の通りを急いだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
と寛一君も好奇心が手伝って、
肴町
(
さかなまち
)
の方へ向った。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
肴町
(
さかなまち
)
の大旗本、三千石の大身で
津志田
(
つしだ
)
谷右衞門の
伜
(
せがれ
)
彌八郎といふ、ニキビの化け物のやうな若樣。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
落語
(
はなし
)
か。落語はすきで、よく牛込の
肴町
(
さかなまち
)
の
和良店
(
わらだな
)
へ聞きにでかけたもんだ。僕はどちらかといえば子供の時分には講釈がすきで、東京中の講釈の
寄席
(
よせ
)
はたいてい聞きに回った。
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三人は細かな雨の降る
肴町
(
さかなまち
)
の裏通りを歩いていた。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
二人は
肴町
(
さかなまち
)
の通りへ曲った。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「親分、
肴町
(
さかなまち
)
の兜屋の嫁を一體誰が殺したんです。いつかは訊かうと思つて居ましたが」
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところがいけませんよ。それを申し立てて、娘をつれて歸るつもりで、
肴町
(
さかなまち
)
の津志田屋敷へ行つた筈の市之助が、死骸になつて、船河原町のお濠に浮かんで居たとしたらどうですえ、親分」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さア、今度はむづかしいぞ。現場を覗いて、
肴町
(
さかなまち
)
の道場へ行くんだ」
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
肴町
(
さかなまち
)
まで行つて下さい。到頭變なことになりましたぜ」
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さぞ、
肴町
(
さかなまち
)
中に響き渡るように張り上げたことでしょう。
銭形平次捕物控:106 懐ろ鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
親分にさう言はれると、威張つて
肴町
(
さかなまち
)
あたりを
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
肴
漢検準1級
部首:⾁
8画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“肴”で始まる語句
肴
肴屋
肴代
肴籠
肴店
肴料
肴物
肴饌
肴売
肴屑