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縦縞
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たてじま
ふりがな文庫
“
縦縞
(
たてじま
)” の例文
くるりと入口へ仕切られた背中になると、襖の
桟
(
さん
)
が
外
(
はず
)
れたように、その
縦縞
(
たてじま
)
が消えるが
疾
(
はや
)
いか、廊下を、ばた、ばた、ばた、どたんなり。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どろどろして灰色に見える小さな
縦縞
(
たてじま
)
のある白い
単衣
(
ひとえ
)
を着た老人は、
障子
(
しょうじ
)
を締めてよぼよぼと来て
茶
(
ちゃ
)
ぶ
台
(
だい
)
の横に坐った。
藍瓶
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
黒襟かけた三
条
(
すじ
)
縦縞
(
たてじま
)
の濃いお
納戸
(
なんど
)
の糸織に包んで、帯は白茶の博多と
黒繻子
(
くろじゅす
)
の
昼夜
(
ちゅうや
)
、伊達に結んだ
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しの根も切れて雨に叩かれた黒髪が顔の半面を覆い、その二
釘抜藤吉捕物覚書:02 梅雨に咲く花
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
黄ばんだ赤茶けた色が泣きたいほど美しい。何時か一日のうちに紫に変つた地の色は、あの緑の
縦縞
(
たてじま
)
を一層引立てる。そのうへ、今日は縞には黒い影の糸が織り込まれて居る。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
また、その色のとりまぜがおもしろい。だんだらぞめ、荒い
縦縞
(
たてじま
)
、横縞をはじめ、まったくそうぞうもつかない色どりをもったのがいる。そして、その形もまためずらしいのが多い。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
▼ もっと見る
白地に
藍
(
あい
)
の
縦縞
(
たてじま
)
の、
縮
(
ちぢみ
)
の
襯衣
(
しゃつ
)
を着て、襟のこはぜも見えそうに、
衣紋
(
えもん
)
を
寛
(
ゆる
)
く
紺絣
(
こんがすり
)
、二三度水へ入ったろう、色は薄く
地
(
じ
)
も透いたが、
糊沢山
(
のりだくさん
)
の折目高。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二十二三に見える
長手
(
ながて
)
な顔をした淋しそうな女で、白っぽい
単衣
(
ひとえもの
)
の上に
銘仙
(
めいせん
)
のような
縦縞
(
たてじま
)
の
羽織
(
はおり
)
を引っかけていた。
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
客は五十前後の顔の
赧
(
あか
)
黒く
脂
(
あぶら
)
やけにやけた、金縁の
眼鏡
(
めがね
)
をかけた男で、ずんぐりした体を
被
(
おお
)
うた
焦茶
(
こげちゃ
)
のマントの下から地味な
縦縞
(
たてじま
)
の大島のそろいを
覗
(
のぞ
)
かしていた。
文妖伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
階下
(
した
)
で
添乳
(
そえぢ
)
をしていたらしい、色はくすんだが
艶
(
つや
)
のある、
藍
(
あい
)
と紺、
縦縞
(
たてじま
)
の南部の
袷
(
あわせ
)
、
黒繻子
(
くろじゅす
)
の襟のなり、ふっくりとした乳房の線、幅細く
寛
(
くつろ
)
いで、昼夜帯の暗いのに、緩く
纏
(
まと
)
うた
女客
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背きがち、
首
(
うな
)
だれがちに差向ったより炉の灰にうつくしい面影が立って、その
淡
(
うす
)
い桔梗の無地の半襟、お納戸
縦縞
(
たてじま
)
の
袷
(
あわせ
)
の薄色なのに、
黒繻珍
(
くろしゅちん
)
に朱、
藍
(
あい
)
、
群青
(
ぐんじょう
)
、
白群
(
びゃくぐん
)
で、
光琳
(
こうりん
)
模様に
錦葉
(
もみじ
)
を織った。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
縦
常用漢字
小6
部首:⽷
16画
縞
漢検準1級
部首:⽷
16画
“縦”で始まる語句
縦
縦令
縦横
縦横無尽
縦覧
縦穴
縦様
縦坑
縦孔
縦皺