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締直
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しめなほ
締直し支度をして行んとする故
彼方に居る雲助共は
大聲揚ヤイ/\
能そんな事で
行る者か何でも乘て
貰へ/\今時
生若い者が大金を
さあ、
之からが
名代の
天生峠と
心得たから、
此方も
其気になつて、
何しろ
暑いので、
喘ぎながら、
先づ
草鞋の
紐を
締直した。
願ふと云ふも
忍び
泣殊に他人に有ながら當家へ
養子に來た日より
厚く
深切盡くして呉し支配人なる久八へ
鳥渡成とも
書置せんと
有あふ
硯引寄せて涙ながらに
摺流す
墨さへ
薄き
縁にしぞと
筆の
命毛短かくも
漸々認め
終りつゝ
封じる
粘より
法の
道心ながら
締直す帶の
博多の一本
獨鈷眞言成ねど
祕密の爲
細腕成ども我一心長庵如き何の其
岩を