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紡績織
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ばうせきおり
宗助は
始めて
自分の
家に
小六の
居る
事に
氣が
付いた。
襯衣の
上から
暖かい
紡績織を
掛けて
貰つて、
帶をぐる/\
卷き
付けたが
それは
下町の
相場とて
折かへして
來るはなかりき、さるほどに
此ほどの
朝まだき
四十に
近かるべき
年輩の
男、
紡績織の
浴衣も
少し
色のさめたるを
着て
宗助は
仕立卸しの
紡績織の
脊中へ、
自然と
浸み
込んで
來る
光線の
暖味を、
襯衣の
下で
貪ぼる
程味ひながら、
表の
音を
聽くともなく
聽いてゐたが、
急に
思ひ
出した
樣に、
障子越しの
細君を
呼んで