神鬮みくじ)” の例文
いたしまして、お神鬮みくじをいただきましたところが……凶と出まして……。お蝶も同じように凶と出ましたので……。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
神鬮みくじを取ったり御祈祷をなすったりしましたが、それから二年半ばかり経ちまして、御新造がお逝去になり、それから丁度四年ほど経って大旦那様もお逝去
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼はその足で愛宕権現にさいし、僧たちを白雲寺の前に残して、今度はただひとり、彼方の将軍地蔵の御堂へまいった。そして、そこでは番僧から神鬮みくじをうけていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の、枕直まくらなほしの、宮參みやまいりの、たゞあわたゞしうてぎぬ、かみきつけて産土神うぶすなまへ神鬮みくじやうにしてけば、常盤ときはのまつ、たけ、蓬莱ほうらいの、つる、かめ、ぐりもてずして
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たづねてもおたなすぐには參れねどお文は都度々々つと/″\中宿迄なかやどまで御屆おとゞけ申て置ましたが其處そこへもたえて御出のないよしもつとも其後お變りなく御辛抱しんぼうとの事ゆゑにいづれお出で有ませうと取り留もなき挨拶に詮方せんかたつきて小夜衣はたゞ明暮あけくれ神頼かみたの神鬮みくじ辻占つじうら疊算たゝみざん夫さへしるしの有ざれば二かい廻しの吉六を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
亀山に帰国してからの一夜、愛宕あたごの社に参籠さんろうして、神鬮みくじを引いたそのときに、むらむらとわいた出来心だ。その証拠にはその夜から彼の態度というものが変っている。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
種々いろ/\心配して神鬮みくじを取ったり売卜者うらないしゃに見て貰いなどしたが分らない、殊に借財方から責められて、とても身代が持切れませんから、身代をしまいまして、七歳なゝつになるおえいを十文字に背負しょいまして
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人々は彼が神鬮みくじをひいている様子を、あだかも彼の気まぐれか興味のように遠くから眺めていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)