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碧玉
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へきぎょく
ふりがな文庫
“
碧玉
(
へきぎょく
)” の例文
更にまたさまざまの地獄から
沸泉
(
ふっせん
)
が
湯煙
(
ゆけむり
)
を立てて流れて行く水路の底が美くしい
碧玉
(
へきぎょく
)
の色に染まっていることを見逃すことは出来なかった。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
と言うと、二人の海女は、身を
跳
(
おど
)
らして、
碧玉
(
へきぎょく
)
を
湛
(
たた
)
えたような——少し底濁りのした水槽へサッと飛込みました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
黒襲
(
くろがさね
)
に
白茶七糸
(
しらちゃしゅちん
)
の丸帯、
碧玉
(
へきぎょく
)
を刻みし
勿忘草
(
フォルゲットミイノット
)
の
襟
(
えり
)
どめ、(このたび武男が米国より
持
(
も
)
て来たりしなり)四
分
(
ぶ
)
の
羞
(
はじ
)
六
分
(
ぶ
)
の
笑
(
えみ
)
を含みて、
嫣然
(
えんぜん
)
として
燈光
(
あかり
)
のうちに立つ姿を
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
春は草が青あおとしげって、白い小ぎくが
碧玉
(
へきぎょく
)
をしきつめたもうせんの上に白い星をちりばめていたし、
芽出
(
めだ
)
しやなぎやポプラの
若木
(
わかぎ
)
からはねっとりとやにが流れていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
黄色な
草穂
(
くさぼ
)
はかがやく
猫睛石
(
キャッツアイ
)
、いちめんのうめばちそうの花びらはかすかな
虹
(
にじ
)
を
含
(
ふく
)
む
乳色
(
ちちいろ
)
の
蛋白石
(
たんぱくせき
)
、とうやくの
葉
(
は
)
は
碧玉
(
へきぎょく
)
、そのつぼみは
紫水晶
(
アメシスト
)
の美しいさきを
持
(
も
)
っていました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
静かな、切れるような
冷
(
つ
)
めたい風の中で、
碧玉
(
へきぎょく
)
のような
大濤
(
おおなみ
)
に揺られながらの海難……。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一七九三年の恐るべき共同墓地となったマドレーヌの墓場は、ルイ十六世およびマリー・アントアネットの遺骨がその
塵
(
ちり
)
にまみれていたので、いまや大理石や
碧玉
(
へきぎょく
)
を着せられた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
厚い
樫
(
かし
)
の木の扉飾りには
鼈甲
(
べっこう
)
や象牙や金銀や
碧玉
(
へきぎょく
)
さえも嵌め込まれているのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
卑弥呼は
臂
(
ひじ
)
に飾った
釧
(
くしろ
)
の
碧玉
(
へきぎょく
)
を松明に輝かせながら、再び戸の外へ出て行った。若者は
真菰
(
まこも
)
の下に突き立ったまま、その落ち窪んだ眼を光らせて卑弥呼の去った戸の外を見つめていた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
袁氏はまた懐から
碧玉
(
へきぎょく
)
の
環飾
(
わかざり
)
を出して老僧の前へ置いて
碧玉の環飾
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
水は今日入れ換えたばかり、
碧玉
(
へきぎょく
)
のごとく澄んで、蝋燭の光に底まで読めます。その中をお村の裸体は、重りを引入れられて、ユラユラと沈んで行きます。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
軒蛇腹道
(
コルニッシュ・ロード
)
とも別称されるほど、しかく絶壁の上につけられた海岸道路から、松の生えた小島などを、南欧特有の青い空の
下
(
もと
)
、
碧玉
(
へきぎょく
)
の海面に見出しながら、ドライブする趣きは
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
碧玉
(
へきぎょく
)
のすずらんが百の月が
集
(
あつ
)
まった
晩
(
ばん
)
のように光りながら
向
(
む
)
こうから
言
(
い
)
いました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
窓近くさし
出
(
い
)
でたる一枝は、枝の武骨なるに似ず、
日光
(
ひ
)
のさすままに緑玉、
碧玉
(
へきぎょく
)
、
琥珀
(
こはく
)
さまざまの色に透きつ
幽
(
かす
)
めるその葉の
間々
(
あいあい
)
に、
肩総
(
エポレット
)
そのままの花ゆらゆらと枝もたわわに咲けるが
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
その時ちょうど風が来ましたので、うめばちそうはからだを少し
曲
(
ま
)
げてパラリとダイアモンドの
露
(
つゆ
)
をこぼしました。
露
(
つゆ
)
はちくちくっとおしまいの青光をあげ
碧玉
(
へきぎょく
)
の
葉
(
は
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しず
)
んで行きました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“碧玉”の意味
《名詞》
碧 玉(へきぎょく)
青や緑の玉。
酸化鉄や水酸化鉄などの不純物を含む石英。
(出典:Wiktionary)
“碧玉”の解説
碧玉『学術用語集』の表記は「へき玉」。(へきぎょく、jasper、ジャスパー)は、微細な石英の結晶が集まってできた鉱物(潜晶質石英)であり、宝石の一種。
また、ブルーサファイアのことを和名で碧玉ということもある。
(出典:Wikipedia)
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
玉
常用漢字
小1
部首:⽟
5画
“碧玉”で始まる語句
碧玉随
碧玉集
碧玉髄
碧玉の岸
碧玉のふちべ