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石摺
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いしずり
ふりがな文庫
“
石摺
(
いしずり
)” の例文
四月の十四日——父の命日には、年々床の間に父の名の入つた
石摺
(
いしずり
)
の大きな
幅
(
ふく
)
をかけて、机の上に位牌と
御膳
(
おぜん
)
を据ゑて、お祭をした。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
老人は馬蠅の飛び去る方を
睨
(
にら
)
みながら、「酒屋か郵便屋だろう。うっちゃってお置きなさい。」と
徐
(
おもむろ
)
に
石摺
(
いしずり
)
の古法帖を
畳
(
たた
)
んだ。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから「シェクスピヤ」の墓碑の
石摺
(
いしずり
)
の写真を見せて、こりゃ何だい君、英語の漢語だね、僕には読めないといった。やがて先生は会社へ出て行った。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
右等の碑文が、さほど
好事家
(
こうずか
)
の間に珍重がられているという理由は知らないが、いずれ俳諧師かなんぞの風流人が、
石摺
(
いしずり
)
を取っているのだろうと見当をつけました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
時計の右が壁で、左が
袋戸棚
(
ふくろとだな
)
になっていた。その
張交
(
はりまぜ
)
に
石摺
(
いしずり
)
だの、俳画だの、扇の骨を抜いたものなどが見えた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
一間
(
いっけん
)
の
床
(
とこ
)
には何かいわれのあるらしい
雷
(
らい
)
という一字を
石摺
(
いしずり
)
にした
大幅
(
たいふく
)
がかけてあって、その下には古い支那の陶器と想像せられる大きな六角の
花瓶
(
かへい
)
が、花一輪さしてないために
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時計
(
とけい
)
の
右
(
みぎ
)
が
壁
(
かべ
)
で、
左
(
ひだり
)
が
袋戸棚
(
ふくろとだな
)
になつてゐた。
其
(
その
)
張交
(
はりまぜ
)
に
石摺
(
いしずり
)
だの、
俳畫
(
はいぐわ
)
だの、
扇
(
あふぎ
)
の
骨
(
ほね
)
を
拔
(
ぬ
)
いたものなどが
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はこの眼鏡と共に、いつでも母の背景になっていた
一間
(
いっけん
)
の
襖
(
ふすま
)
を
想
(
おも
)
い
出
(
だ
)
す。古びた
張交
(
はりまぜ
)
の
中
(
うち
)
に、
生死事大
(
しょうじじだい
)
無常迅速
(
むじょうじんそく
)
云々と書いた
石摺
(
いしずり
)
なども
鮮
(
あざ
)
やかに眼に浮んで来る。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はその中に、支那から帰った友達に
貰
(
もら
)
った
北魏
(
ほくぎ
)
の
二十品
(
にじっぴん
)
という
石摺
(
いしずり
)
のうちにある一つを
択
(
え
)
り出して入れた。それからその額を
環
(
かん
)
の着いた細長い
胡麻竹
(
ごまだけ
)
の下へ
振
(
ぶ
)
ら下げて、床の間の
釘
(
くぎ
)
へ懸けた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二階の
梯子段
(
はしごだん
)
は、母の大眼鏡と離す事のできない、
生死事大
(
しょうじじだい
)
無常迅速
(
むじょうじんそく
)
云々と書いた
石摺
(
いしずり
)
の
張交
(
はりまぜ
)
にしてある
襖
(
ふすま
)
の、すぐ
後
(
うしろ
)
についているので、母は私の声を聞きつけると、すぐ二階へ上って来てくれた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
“石”で始まる語句
石
石鹸
石垣
石塊
石見
石燈籠
石榴
石膏
石楠花
石碑