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短袴
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たんこ
ふりがな文庫
“
短袴
(
たんこ
)” の例文
小砂利の鳴る音を聞いたからであるが、振返ってみると
帯刀
(
たてわき
)
であった。
萱笠
(
すげがさ
)
をかぶり
短袴
(
たんこ
)
に草履ばきで、
釣竿
(
つりざお
)
と
魚籠
(
びく
)
を持ち、
餌箱
(
えばこ
)
を
紐
(
ひも
)
で肩に掛けていた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一方は木綿服に小倉織の
短袴
(
たんこ
)
を着すれば、他方は
綸子
(
りんず
)
の
被布
(
ひふ
)
を
纏
(
まと
)
い、
儼然
(
げんぜん
)
として虎皮に坐す。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
住民また甚だ太古の
風
(
ふう
)
を存し、
婦
(
ふ
)
は皆齒に
涅
(
でつ
)
し、
山袴
(
やまばかま
)
と稱する
短袴
(
たんこ
)
を
穿
(
うが
)
ち、ことに其の清麗透徹たる山水は
克
(
よ
)
く天然の麗質を生じて、世に見るを得べからざるの美
頗
(
すこぶ
)
る多しと聞く。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
髪は
紅元結
(
べにもとい
)
で短くしばり上げ、金の
型模様
(
かたおき
)
をした
薄革
(
うすかわ
)
の
短袴
(
たんこ
)
に玉の
胡蝶
(
こちょう
)
の帯留を見せ、りゅうりゅうたる肉塊で造り上げられたようなその巨体は生ける
仁王
(
におう
)
とでもいうほかはない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
維新回天の時
漸
(
やうや
)
く迫れるの頃、長刀
短袴
(
たんこ
)
の青年にして、
文天祥
(
ぶんてんしやう
)
が
正気之歌
(
せいきのうた
)
を知らざる者なかりしが如く、今の世、杖を学林に曳くものにして、未だ『天地有情』を知らざるものはあらじ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
専六は元秀の如き良師を得たが、
憾
(
うら
)
むらくは心、医となることを欲せなかった。弘前の人は
毎
(
つね
)
に、
円頂
(
えんちょう
)
の専六が
筒袖
(
つつそで
)
の
衣
(
い
)
を
著
(
き
)
、
短袴
(
たんこ
)
を
穿
(
は
)
き、
赤毛布
(
あかもうふ
)
を
纏
(
まと
)
って銃を負い、山野を
跋渉
(
ばっしょう
)
するのを見た。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
稽古着に
短袴
(
たんこ
)
をつけた隼人が三十余人の門人たちの前に額をあげて立ち、ぱきぱきとよく徹る声で云っていた。
薯粥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
嘗
(
かつ
)
て海舟勝翁に聞く、翁の壮なるや、佐久間象山の家において、一個の書生を見る。
鬢髪
(
びんぱつ
)
蓬
(
よもぎ
)
の如く、
癯骨
(
くこつ
)
衣に
勝
(
た
)
えざるが如く、
而
(
しこう
)
して小倉織の
短袴
(
たんこ
)
を着く。曰く、これ吉田寅次郎なりと。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
さらに柴進その人は、巻毛の白馬に
覆輪
(
ふくりん
)
の鞍をすえて
跨
(
また
)
がり、かしらには
紗
(
しゃ
)
の
簇花巾
(
ぞっかきん
)
、
袍
(
ほう
)
(上着)はむらさき地に花の丸紋、宝石入りの
帯
(
たい
)
、みどり
縞
(
じま
)
の
短袴
(
たんこ
)
に
朱革
(
しゅがわ
)
の馬上靴といういでたち。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
短袴
(
たんこ
)
長刀の講武所すがたで、塾へ通う格太郎のすがたを、隣りのお房は、ちらとでも、見ることが楽しかった。灯ともし頃——もう帰る頃——彼女は、何かの用事をこしらえて、使に出たがった。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
短
常用漢字
小3
部首:⽮
12画
袴
漢検準1級
部首:⾐
11画
“短袴”で始まる語句
短袴子