病身びょうしん)” の例文
そのうちには、いもうとがあります。おとうとがあります。父親ちちおやは、んでしまってないために、病身びょうしん母親ははおやは、じっとしていることもできずに内職ないしょくをしています。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつも人にいじめられてばかりいた曾呂利本馬! 病身びょうしんらしい青白い顔の曾呂利本馬! 脚をけがして
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わけては、病身びょうしんたりとも、がたくり、ふらふらと道わるを自動車にふんぞって来た奴等を、目さえ切塞きりふさいだかと驚かれる、が、慈救の橋は、易々と欄干らんかんづきで、しずかたいらかな境内へ、通行を許さる。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(3) 病身びょうしんな夫
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
どんな人形にんぎょうでもいいのです。ぼくいもうとは、病身びょうしんで、いえにばかりいて、なんのたのしみもありませんから、人形にんぎょうおくっていただいたら、たいへんによろこぶだろうとおもうのです。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにをするにしても、病身びょうしんであって、おもうようにちからず、つかれていましたから、ほんとうに、どうしたら旅費りょひがつくれるだろうとかんがえながら、少年しょうねんみちあるいていました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのは、うちにいる病身びょうしん母親ははおやたすけてはたらくので、わたしえだしもいたんでいるよりも、もっとかぜしもとにいたんでいます。さむい、さむには、はれあがったこうからがにじんでいます。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、堪忍かんにんしてやんなさい。なんといっても、まだ子供こどもだ。それに病身びょうしんとみえて、あんなに顔色かおいろわるいのだから。」と、あばたづらおとこは、なかはいって、そのまるくおさめてくれました。
石をのせた車 (新字新仮名) / 小川未明(著)