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いきうつ
ふりがな文庫
“
生写
(
いきうつ
)” の例文
旧字:
生寫
「おう……
天目山
(
てんもくざん
)
であいはてた、父の勝頼、また兄の太郎
信勝
(
のぶかつ
)
に、さても
生写
(
いきうつ
)
しである……。あの
戦
(
いくさ
)
のあとで
検分
(
けんぶん
)
した
生首
(
なまくび
)
に
瓜
(
うり
)
二つじゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一図に示すはこれらに近縁あるポリサックム属の二種、いずれも田辺で採った。
瞥見
(
ちょっとめ
)
にはこれも馬の糞
生写
(
いきうつ
)
しな菌である。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
此の子が不思議な事には、新吉が夢に見た兄新五郎の顔に
生写
(
いきうつ
)
しで、鼻の高い眼の細い、気味の悪い
小児
(
こども
)
が生れると云う怪談の始めでございます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうしてその記憶の
中
(
うち
)
にタッタ一つ美しいモヨ子……一千年前の犠牲であった
黛
(
たい
)
夫人に
生写
(
いきうつ
)
しの姿がアリアリと浮出した
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
元気な小僧だし、己の若くっていい男だった時に
生写
(
いきうつ
)
しだからよ。いつも己はお前が仲間に
入
(
へえ
)
ってくれて、紳士で死んで
貰
(
もれ
)
えてえもんだと思ってた。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
▼ もっと見る
博士は慌てて
湯槽
(
ゆぶね
)
から飛び上つた。そして流し場へきちやうめんに坐つて手をついた。その恰好が蛙に
生写
(
いきうつ
)
しだつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼と
生写
(
いきうつ
)
しの、双生児の片割とまで云われていた菰田が、大金持の菰田が、やはり癲癇病みであることを、無意識の
中
(
うち
)
に意識していなかったとは云えないのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
リケットの情婦グヰンが娘に
生写
(
いきうつ
)
しであるを種に、A夫人は娘のスエーターを剥取ってグヰンに着せ、
真
(
ほん
)
ものゝA嬢と見せかけて、大胆に海浜旅館へ乗込んだのである。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
彼にそっくり
生写
(
いきうつ
)
しの、十二歳になる、人相の悪い腕白小僧だ。世間の人々は、テルソン銀行が大まかなやり方でその雑役夫を使ってやっているのだということを承知していた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「ほんとに、お
生写
(
いきうつ
)
し……どうしてこんなに上手にかけるものでございましょう」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「人間じゃございませんが、六兵衛にそっくりそのまゝ
生写
(
いきうつ
)
しですから、尚おのこと他人の空似でございましょう。下顎が上顎よりも出っ張っていて、身体まで真っ四角でございます」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
伝役
(
もりやく
)
萩之進らとかたらって、たまたま通りあわした
野伏乞食
(
のぶせりこつじき
)
の子が源次郎さまに
生写
(
いきうつ
)
しなのをさいわい、金をあたえて買いとり、偽の主君をつくりあげ、なにくわぬ顔で帰城したのだという
取沙汰
(
とりざた
)
。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
日ごとに
剃
(
そ
)
る
月代
(
さかゆき
)
もまだその頃には青々として美しく、すらりとして
丈
(
せい
)
高く、長い
頤
(
おとがい
)
に癖のある
細面
(
ほそおもて
)
の優しさは、時の名優
坂東三津五郎
(
ばんどうみつごろう
)
を
生写
(
いきうつ
)
しと
到
(
いた
)
る処の茶屋々々にいい
囃
(
はや
)
されるが何よりも嬉しく
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
其の顔を新吉が
熟々
(
つく/″\
)
見ると夢に見ました兄新五郎の顔に
生写
(
いきうつ
)
しで、新吉はぞっとする程身の毛立って
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
驚くべきことには、
仮面
(
めん
)
は余りにも正成の顔に
生写
(
いきうつ
)
しだった。しかし、いわれなきことではない。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
髪の刈り方から、
口髭
(
くちひげ
)
の具合、いくらか頬のこけたところまで、全く
生写
(
いきうつ
)
しなんだ。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
昼間
(
ひるま
)
の感情の激動で頭が乱れてもいたし、粗野な振舞のこの
生写
(
いきうつ
)
しの人間と一緒にそこにいるのが夢のように思れもするので、チャールズ・ダーネーはどう答えていいかまごついた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「第一は君の本質、第二は君が亡くなった息子さんに
生写
(
いきうつ
)
しだからだそうだ」
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
貴方に
生写
(
いきうつ
)
しじゃありませんか。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼の顔や姿や
声音
(
こわね
)
などが、どの様に源三郎に
生写
(
いきうつ
)
しであろうとも、それで以って、源三郎
昵懇
(
じっこん
)
の人々を
欺
(
あざむ
)
きおおせようとも、舞台の衣裳を脱ぎ捨てて扮装を解いた
閏房
(
けいぼう
)
に
於
(
お
)
いて、
赤裸々
(
せきらら
)
の彼の姿を
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところが面白いことには哲彦がこの叔父に容貌性格とも
生写
(
いきうつ
)
しです
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
写
常用漢字
小3
部首:⼍
5画
“生写”で始まる語句
生写百面相