独立どくりつ)” の例文
旧字:獨立
中古時代になって西洋は西洋で独立どくりつの文化を営み、東洋は東洋で固有の発達をなすことになり、相互に補う便利がなくなった。
東西相触れて (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
もっとくわしくいうと、男女なんによ両柱ふたはしら神々かみがみがそれぞれ御分霊ごぶんれいし、その二つが結合けつごうして、ここに一つの独立どくりつした身魂みたまつくられたのでございます。
人の霊魂は不覊ふき独立どくりつなもの、肉体一世の結合は彼もしくば彼女の永久の存在を拘束することは出来ないのですから、先生の生前、先生は先生の道
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
まち独立どくりつ立派りっぱ病院びょういん維持いじされようはいとか、とにかくわるいながらも病院びょういんのあるのはいよりもましであるとかと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
集合的しふがふてき独立どくりつのぞんで個人的こじんてき独立どくりつあえてせざるものは独立どくりつするとも独立どくりつ好結果かうけつくわあづかり得ざるなり、我等は厄介者と共に独立するを甚だ迷惑に感ずるなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
背山の方は、尾根おねがうしろの峰につづいて、形が整っていないけれども、妹山の方は全く独立どくりつした一つの円錐状えんすいじょうの丘が、こんもりと緑葉樹のころもを着ている。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それらの内部ないぶには、独立どくりつした子供部屋こどもべやがあり、またどのしつにも暖房装置だんぼうそうちとどいているであろう。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
教会内けふくわいない偽善者ぎぜんしや潜伏せんぷくし居るを知りながらその破壊はくわいおそれて之を排除はいぢよし得ざるものなり、教会けうくわい独立どくりつとなへながら世の賛同さんどうを得ざるが故に躊躇ちうちよ遁逃とんとうするものなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
独立どくりつとなふるはし、しかれども如何いかにして之を実行じつかうすべき、言ふをめよ「汝我と共に独立どくりつする時は我も独立どくりつせん」と 独立とは「独り立つ」といふことなり
時事雑評二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)