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爪皮
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つまかわ
ふりがな文庫
“
爪皮
(
つまかわ
)” の例文
お京の
爪皮
(
つまかわ
)
が雪を
噛
(
か
)
んで出た。まっすぐに
清水
(
きよみず
)
下の道へは出ないで、横に池について、褄はするすると
捌
(
さば
)
くが、足許の
辿々
(
たどたど
)
しさ。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あらい
八丈
(
はちじょう
)
の羽織を長く着て、
素足
(
すあし
)
を
爪皮
(
つまかわ
)
のなかへさし込んで立った姿を、下宿の二階窓から書生が顔を二つ出して評している。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
粋な
爪皮
(
つまかわ
)
をつけた足駄を穿いた年増が危げにその間を縫いながら、着物に撥ねかけられた泥を恨めしそうに眺めていたりした。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
頚
(
くび
)
に
白羽二重
(
しろはぶたえ
)
を捲きつけて、折り鞄を提げ、
爪皮
(
つまかわ
)
のかかった
日和下駄
(
ひよりげた
)
をはいて、たまには下宿へもやって来るのを、お庄もちょいちょい見かけた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
印
(
しるし
)
の
傘
(
かさ
)
をさしかざし
高足駄
(
たかあしだ
)
の
爪皮
(
つまかわ
)
も
今朝
(
けさ
)
よりとはしるき
漆
(
うるし
)
の
色
(
いろ
)
、きわ/″\しう
見
(
み
)
えて
誇
(
ほこ
)
らし
氣
(
げ
)
なり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
高下駄
(
あしだ
)
の
爪皮
(
つまかわ
)
もなかった。小さい
日和洋傘
(
ひよりがさ
)
で大雨を
冒
(
おか
)
して師のもとへと通った。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
龍介は入口の硝子戸によりかかりながら、家の中へちょっと口笛を吹いてみた。が、出てこない。その時、龍介はフト上りはなに新しい
爪皮
(
つまかわ
)
のかかった男の足駄がキチンと置かれていたのを見た。
雪の夜
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
白足袋で、黒の
爪皮
(
つまかわ
)
を深く掛けた小さく高い
足駄穿
(
あしだばき
)
で、
花崗石
(
みかげいし
)
の上を
小刻
(
こきざみ
)
の音、からからと二足三足。
頭
(
つむり
)
が軒の下を放れたと思うと、腰を
伸
(
の
)
して、打仰いで空を見た。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いま
廓内
(
なか
)
よりの帰りと覚しく、
裕衣
(
ゆかた
)
を重ねし
唐桟
(
とうざん
)
の着物に柿色の三尺を
例
(
いつも
)
の通り腰の先にして、黒八の
襟
(
ゑり
)
のかかつた新らしい半天、印の傘をさしかざし
高足駄
(
たかあしだ
)
の
爪皮
(
つまかわ
)
も
今朝
(
けさ
)
よりとはしるき漆の色
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
焦茶の中折帽を
真俯向
(
うつむ
)
けに、
爪皮
(
つまかわ
)
の
掛
(
かか
)
った
朴歯
(
ほおば
)
の日和下駄を、かたかたと鳴らしざまに、その紋緞子の袴の長い裾を白足袋で緩く
刎
(
は
)
ねて、真中の位置をずれて、ツイと軒下を横に離れたが。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爪
常用漢字
中学
部首:⽖
4画
皮
常用漢字
小3
部首:⽪
5画
“爪”で始まる語句
爪
爪先
爪立
爪弾
爪尖
爪繰
爪牙
爪先上
爪紅
爪音