熟練じゆくれん)” の例文
つなをぎつとつかねてかせるもとや、ひとつづゝに思案しあんしながらしかつかんだら威勢ゐせいよくすいともとは彼等かれらこはばつたでありながら熟練じゆくれんしてさうして敏捷びんせふ運動うんどうする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
魚沼郡の内にて縮をいだす事一様ならず、村によりていだしなにさだめあり。こはおのづからむかしより其しなにのみ熟練じゆくれんしてほかしなうつらざるゆゑ也。其所その品をいだす事左のごとし。
汽車の帰途かへりの路すがら、奈何どうしても通抜とほりぬけが出来なかつたから、突然ではあつたが、なつかしい此村を訪問したと云ふ事、今では東京に理髪店を開いてゐて、熟練じゆくれんな職人を四人も使つてるが
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
怪我人等けがにんらたゞ凝然ぢつとして醫者いしや熟練じゆくれんしたもとを凝視ぎようしした。勘次かんじ他人ひとうしろから爪立つまだてをした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
巫女くちよせしばらあはせてくちなかなにねんじてたが風呂敷包ふろしきづゝみまゝはこ兩肘りやうひぢいて段々だん/\諸國しよこく神々かみ/″\んで、一あつめるといふ意味いみ熟練じゆくれんしたいひかた調子てうしをとつていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)