たい)” の例文
大抵たいていうちではこめ菱餅ひしもちすのが常例じやうれいであるが勘次かんじにはさういふひまがないのでおつぎはわづか小豆飯あづきめしたい重箱ぢゆうばこもつつたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
主税は、当初はじめから酔わなきゃ話せないで陶然としていたが、さりながら夫人、日本広しといえども、私におまんまたいてくれたおんなは、お蔦の他ありません。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふりナニ/\めしみな賣切うりきれたいたのは少しも御座らぬといひつゝ武士の方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
じろ/\ながめ居るゆゑ武士さふらひ眞實まこと當惑たうわくなし然らばいつその事此家にとまるべし見れば障子しやうじ御泊おとま宿やどしるしあり夫にはや申刻なゝつすぎにもなるべし餘り草臥くたびれたればとまりて行んにより飯もゆるりとたいてもらうべし酒も取寄てもらはん此所こことまるとすれば仔細しさいなしと草鞋わらぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)