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漕出
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こぎだ
聞けば、向う岸の、むら萩に
庵の見える、
船主の料理屋にはもう交渉済で、二人は慰みに、これから
漕出そうとする処だった。
筏乗は悪く致すと岩角に
衝当り、水中へ
陥るような事が毎度ありますが、山田川から前橋まで
漕出す賃金は
稍く金二円五十銭ぐらいのもので、長い
楫を持ち筏の上に乗って
止めて
歩行けれども更に似た人もなく早日も
西山に
傾きしかばいざ
旅宿へ
歸らんとて三圍の下より渡し船に
乘川中迄漕出したる時向うより數人
乘合し渡し船來り
行違ひさま其の船の中を
聞けば、向う岸の、むら
萩に
庵の見える、
船主の料理屋には
最う
交渉済で、二人は
慰みに、此から
漕出さうとする
処だつた。
河中へ
漕出して
深水へ沈めにかけるより仕様は有るめえが、何か重い物を
身体に巻附けたいと思うが、あの団子を売る
葮簀張の
処に
力持をする石が有るから、縄も一緒に探して持って
来や
嘉吉が、そこで、はい、
櫓を握って、ぎっちらこ。幽霊船の
歩に取られたような顔つきで、
漕出したげでござりますが、酒の
匂に我慢が出来ず……
丁と
棹をつく、ゆらりと
漕出す。