測量そくりょう)” の例文
富士山ふじさん測量そくりょうはいまだ綿密めんみつに出来ていないごとく、大人物であればあるほど、その高さも大きさも容易ようい凡人ぼんじんの見分け得るものでない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
うちちちは、新しく鉄道てつどうくために、山の中を測量そくりょうに歩いていましたので、そのたんびアイヌ人を道案内みちあんないにたのんでいました。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
「かしこまりました。ありがたい思召おぼしめしでございます。工作の方のものどもはもう万一まんいち命令めいれいもあるかと柏林かしわばやし測量そくりょうにとりかかっております」
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
乗組員のりくみいん艦長かんちょう勝麟太郎かつりんたろう海舟かいしゅう)ら九十六にん、ほかに日本にっぽん近海きんかい測量そくりょうにきて、なんぱしたアメリカの海軍士官かいぐんしかんブルック大尉たいいら十にんがのりました。
すでに学校に心をすれば、門閥もんばつの念も同時に断絶してその痕跡こんせきを見るべからず。市学校は、あたかも門閥の念慮ねんりょ測量そくりょうする試験器というもなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
これすなわち勝氏が特に外交の危機きき云々うんぬん絶叫ぜっきょうして、その声を大にし以て人の視聴しちょう聳動しょうどうせんとつとめたる所以ゆえんに非ざるか、ひそか測量そくりょうするところなれども
事務所じむしょの人は、測量そくりょうするような目で光吉こうきちをながめてから、そばに立っている母にいった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
 そして今日から授業じゅぎょうだ。測量そくりょうはたしかに面白おもしろい。地図を見るのも面白い。ぜんたいここらの田やはたけでほんとうの反別たんべつになっているところがないと武田たけだ先生がった。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ただ測量そくりょう園芸えんげいが来ないとか云っていた。あしたは日曜だけれどもくならないうちに買いに行こう。僕は国語と修身しゅうしんは農事試験場へ行った工藤くどうさんからゆずられてあるからのこりは九さつだけだ。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)