“淺猿(あさま)” の例文
新字:浅猿
憐(あは)れむだらうか? 厭(いと)ふだらうか? それともまた淺猿(あさま)しがるだらうか? さうしてあの可憐(いぢら)しくも感謝(かんしや)に滿(み)ちた忠實(ちうじつ)な愛情(あいぢやう)を
悔 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
見(み)れば惡は惡に亡(ほろ)ぶる事誠に是非もなき次第(しだい)なり又(また)主人(あるじ)五兵衞は其人を知らず只(たゞ)己の慾(よく)を恣(ほしい)まゝになせしゆゑ遂には家の滅亡(めつばう)を招くと云(いふ)是(これ)亦(また)淺猿(あさま)しき事にこそ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處(そこ)には毛蟲(けむし)や其(そ)の他(た)の淺猿(あさま)しい損害(そんがい)が或(あるひ)は有(あ)るにしても、しと/\と屡(しば/\)梢(こずゑ)を打(う)つ雨(あめ)が空(そら)の蒼(あを)さを移(うつ)したかと思(おも)ふやうに力強(ちからづよ)い深(ふかい)い緑(みどり)が地上(ちじやう)を掩(おほ)うて爽(さわや)かな冷(すゞ)しい陰(かげ)を作(つく)るのである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『男は淺猿(あさま)しいものだ!』と心で言つて見た。青森にゐる兄の事が思出されたので。——嫂の言葉に返事もせず、竈の下を焚きつけ乍らも聖書を讀んだ頃が思出された。亡母(はゝ)の事が思出された。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
酒に荒んだ、生殖作用を失つた、四十女の淺猿(あさま)しさ!
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)