がら)” の例文
新字:
私が千之助の変り果てた脱けがらだと言ふことも解りませうが、そんな事をする前に、私は、自分の敵が討ちたかつたので御座います
灰色とも白とも淡褐色ともつかない・砂と殆ど見分けの付かない・一寸蝉のがらのやうな感じの・小さな蟹が無數に逃げ走るのである。
結婚の指環ゆびわを受け取り、愛のすべての形式(きつと彼が注意深く守るであらうが)を忍び、魂はまつたく拔けがらであることを、知ることが出來ようか、彼が與へる愛撫あいぶ
はるからなつにかけてやまゆきえたころが、この山火事やまかじ一番いちばんおほときで、煙草たばこがらや、たきをしたひとのちよっとした不注意ふちゆういで、百年ひやくねんかゝつて出來上できあがつた森林しんりん數時間すうじかんもたゝないあひだ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
屋根やねをはがれたトタンいたと、屋根板やねいたが、がたん、ばり/\と、かけつたり、りみだれたり、ぐる/\と、をどさわぐと、石瓦いしかはらこそばないが、狼藉らうぜきとした罐詰くわんづめのあきがらが、カラカランと
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はながらすみれ香に匂ふ世や。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)