“紅殼”の読み方と例文
新字:紅殻
読み方割合
べにがら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「つまらねえ事を言ふな——斯うつと、あの浪人者が手習師匠でないとすると、あの袖の赤いのは朱ぢやなくて紅殼べにがらだ」
青き焔の如き波に洗はれたる低き岩根には、紅殼べにがら毛星族まうせいぞく(クリノイデア)いとしげく着きたるが、その紅の色は水をかぶりて愈〻紅に、岩石の波に觸れて血を流せるかと疑はる。
天井の低い二階も階下したも、おもてに向いた方はすべて格子造で、それを紅殼べにがらで塗り、入口のくゞりの中は土間になつてゐて、裏口迄つきぬけてゐるといつたやうな古風なものだつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)