かひ)” の例文
さながら水を掻きゐたるかひが、疲勞つかれまたは危き事を避けんため、一の笛のとともにみな止まる如くなりき 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
眼界がんかいたつするかぎ煙波えんぱ渺茫べうぼうたる印度洋インドやうちうに、二人ふたり運命うんめいたくするこの小端艇せうたんていには、く、かひく、たゞなみのまに/\たゞよつてるばかりである。
陸軍中佐なる人の娘と相愛あひあいして、末の契も堅く、月下の小舟をぶねに比翼のかひあやつり、スプレイの流をゆびさして、この水のつひるる日はあらんとも、我が恋のほのほの消ゆる時あらせじ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「時に」と、加藤はかひの手を休めて、義雄に、「あの牧草地の一件はどうだ、ね?」
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
手織縞ておりじまちやつぽいあはせそでに、鍵裂かぎざき出來できてぶらさがつたのを、うでくやうにしてふえにぎつて、片手かたてむかうづきにつゑ突張つツぱつた、小倉こくらかひくちが、ぐたりとさがつて、すそのよぢれあがつた痩脚やせずね
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かひかたちのしやぼてんの
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)