トップ
>
桑畠
>
くはばたけ
ふりがな文庫
“
桑畠
(
くはばたけ
)” の例文
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
方
(
はう
)
から
見
(
み
)
ますと、
大黒屋
(
だいこくや
)
は
一段
(
いちだん
)
と
高
(
たか
)
い
石垣
(
いしがき
)
の
上
(
うへ
)
にありまして、その
石垣
(
いしがき
)
のすぐ
下
(
した
)
のところまで
父
(
とう
)
さんのお
家
(
うち
)
の
桑畠
(
くはばたけ
)
が
續
(
つゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
ましたから
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかもその人家は「時」の大きな手にすつかり
掃
(
はら
)
つて取去られて了つたかのやうに一軒もそこに見出されなかつた。すつかり
桑畠
(
くはばたけ
)
と野菜畑とになつてゐた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
そのお
雛
(
ひな
)
は
井戸
(
ゐど
)
から
石段
(
いしだん
)
を
上
(
あが
)
り、
土藏
(
どざう
)
の
横
(
よこ
)
を
通
(
とほ
)
り、
桑畠
(
くはばたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
つて、お
家
(
うち
)
の
臺所
(
だいどころ
)
までづゝ
水
(
みづ
)
を
運
(
はこ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
黒
(
くろ
)
い
枯枝
(
かれえだ
)
や
黒
(
くろ
)
い
木
(
き
)
の
見
(
み
)
えるお
家
(
うち
)
の
裏
(
うら
)
の
桑畠
(
くはばたけ
)
の
側
(
わき
)
で、
毎朝
(
まいあさ
)
爺
(
ぢい
)
やはそこいらから
集
(
あつ
)
めて
來
(
き
)
た
落葉
(
おちば
)
を
焚
(
た
)
きました。
朝
(
あさ
)
の
焚火
(
たきび
)
は、
寒
(
さむ
)
い
冬
(
ふゆ
)
の
來
(
く
)
るのを
樂
(
たの
)
しく
思
(
おも
)
はせました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
北国街道を左へ折れて、
桑畠
(
くはばたけ
)
の中の細道へ出ると、
最早
(
もう
)
高柳の一行は見えなかつた。石垣で積上げた田圃と田圃との間の坂路を上るにつれて、
烏帽子
(
ゑぼし
)
山脈の大傾斜が
眼前
(
めのまへ
)
に展けて来る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
枯々な
桑畠
(
くはばたけ
)
の間には、其車の音がから/\と響き渡つて、
随
(
つ
)
いて行く犬の叫び声も何となく喜ばしさうに聞える。心の好い叔父は唯訳も無く身を祝つて、顔の
薄痘痕
(
うすあばた
)
も
喜悦
(
よろこび
)
の為に埋もれるかのやう。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何処の城跡へ行つても、大抵は
桑畠
(
くはばたけ
)
。士族といふ士族は皆な零落して了つた。今日迄
踏堪
(
ふみこた
)
へて、どうにかかうにか遣つて来たものは、と言へば、役場へ出るとか、学校へ勤めるとか、それ位のものさ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
桑
常用漢字
中学
部首:⽊
10画
畠
漢検準1級
部首:⽥
10画
“桑”で始まる語句
桑港
桑
桑畑
桑名
桑田
桑門
桑原
桑圃
桑折
桑園