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ほんね
ふりがな文庫
“
本音
(
ほんね
)” の例文
あんたのやうに云つてしまへば、人間の
本音
(
ほんね
)
は永久にわからないんです。覘ひを定めて物を云ふばかりが能ぢやありませんよ。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
津田が小林に
本音
(
ほんね
)
を吹かせようとするところには、ある特別の意味があった。彼はお延の性質をその著るしい断面においてよく承知していた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ことばには立派に言って別れたものの、それは神ならぬ人間の
本音
(
ほんね
)
ではない。余儀ない事情に迫られ、無理に言わせられた表面の
口
(
くち
)
の
端
(
は
)
に過ぎないのだ。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そうして、そのあとでやっぱり日本酒の方がいいと云って
本音
(
ほんね
)
をはいたので大笑いになったことを覚えている。
海水浴
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
私は話しているうちに自然にそうなるのでありますが、恥ずかしいと思わないで
本音
(
ほんね
)
を
吐
(
は
)
きたいのであります。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
たしかに
駈引
(
かけひき
)
をしているにちがいないが、
本音
(
ほんね
)
を吐かせるところまで捻伏せるつもりなら、こちらも、感情を編みだすところから、やらなくてはならない。
春雪
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
妍
(
けん
)
を
競
(
きそ
)
わんとしているが——その好色なる彼をしていわせても、ほんとの、心の底を、男性の
本音
(
ほんね
)
としていわせたら、きっと、こう自白するにちがいない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ははあ、
本音
(
ほんね
)
をふいたな」とヴィタリスが
笑
(
わら
)
いながら言った。「それではくつが
欲
(
ほ
)
しいんだな。よしよし、わたしはやくそくをしよう。それも大きなくぎを
底
(
そこ
)
に打ったやつをなあ。 ...
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「ああ気の弱い男!」
何処
(
どこ
)
に自分が変っている、やはりこれが自分の
本音
(
ほんね
)
だろう。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
庸三はそう言って、ぽつぽつ
本音
(
ほんね
)
の憎悪の言葉を口にし初めた。そして最後に
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
、僕に返せと言うのかい。あっはっはっ、とうとう
本音
(
ほんね
)
をはいたね。食事にもいけなかったり、また
折角
(
せっかく
)
の殺人光線灯も役にたたなかったり、黒人が言うことをきかなかったりしたんでは、もう弱音を
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と親方が
本音
(
ほんね
)
を吹いたので、大笑いになった。
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と
徐大盡
(
じよだいじん
)
、
本音
(
ほんね
)
を
吹
(
ふ
)
いた
唐辯
(
たうべん
)
で
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
紀久榮は到頭
本音
(
ほんね
)
を吐きました。
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私は笑ひながら
本音
(
ほんね
)
を吐いた。
津軽
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
これが
本音
(
ほんね
)
である。
易疑
(旧字旧仮名)
/
内藤湖南
(著)
愛嬌
(
あいきょう
)
に調子を合せるとは思えない。上皮の文明は破れた。中から
本音
(
ほんね
)
が出る。
悄然
(
しょうぜん
)
として誠を帯びた声である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しいて
本音
(
ほんね
)
を吐かせれば「……いやその両方だ。生きるからには婆娑羅に世をたのしみ、あわよくばまた、天下も取りたい」と、
空嘯
(
そらうそぶ
)
く者なのかもしれない。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本音
(
ほんね
)
なら、それがあなたの憂鬱の原因なのよ。見抜いたみたいなことを言うようだけど、あなたの
神経衰弱
(
ノイローゼ
)
は、生活のなかに、大切なものが足りないせいなの。精神を高めて、生きて行く張りあいを
あなたも私も
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それから
本音
(
ほんね
)
を
吐
(
は
)
きました。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこを
敲
(
たた
)
かせて
貰
(
もら
)
って局部から自然に出る
本音
(
ほんね
)
を充分に
聴
(
き
)
く事は、津田と打ち合せを済ました訪問の主意でも何でもなかったけれども、お延自身からいうと
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、三人は、手を振りあったが、悪党性の深い者ほど、実は、たえ間なき死に際のおもいに
憑
(
つ
)
かれ、折あれば、あわれな人間本来の
本音
(
ほんね
)
を聞いてもらいたいのであった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうですか、ただそれだけで疎遠になったんですか。それがあなたの
本音
(
ほんね
)
ですか」という詰問はこの時すでに無言の文句となって彼の腹の中に
蔵
(
かく
)
れていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど、これだけではまだ、秀吉の
本音
(
ほんね
)
としては、
皮相
(
ひそう
)
である。ここまでのことをいってしまえば、かれは必ず、次のことばを、そのあとに云い足したいとするであろう。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
代助に取つて不思議とも思はれるのは、平岡が
斯
(
か
)
う云ふ状態に陥つた時が、一番平岡と議論がしやすいと云ふ自覚であつた。又酒を呑んで
本音
(
ほんね
)
を
吐
(
は
)
かうか、と平岡の方からよく云つたものだ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、いわゆる
膝詰
(
ひざづめ
)
に、宗治の
本音
(
ほんね
)
を押してみた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“本音”の意味
《名詞》
本来の音色。
表向きあらわにしていない本心。また、その言葉。
(出典:Wiktionary)
“本音(本音と建前)”の解説
本音と建前(ほんねとたてまえ)は、何かしらに対する人の感情と態度との違いを示す言葉。しばしば日本人論に見出される言葉でもある。
(出典:Wikipedia)
本
常用漢字
小1
部首:⽊
5画
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
“本”で始まる語句
本
本所
本郷
本当
本意
本望
本性
本當
本文
本町