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暗涙
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あんるい
ふりがな文庫
“
暗涙
(
あんるい
)” の例文
……驚いて、弱って、
暗涙
(
あんるい
)
を拭い拭い立ち
竦
(
すく
)
んでいる私の手を引いて、サッサと扉の外に出ると、重い扉を未練気もなくピッタリと閉めた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
谷中
(
やなか
)
に
知人
(
ちじん
)
の
家
(
いゑ
)
を
買
(
か
)
ひて、
調度萬端
(
てうどばんたん
)
おさめさせ、
此處
(
こゝ
)
へと
思
(
おも
)
ふに
町子
(
まちこ
)
が
生涯
(
せうがい
)
あはれなる
事
(
こと
)
いふはかりなく、
暗涙
(
あんるい
)
にくれては
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
が
不徳
(
ふとく
)
を
思
(
おぼ
)
しゝる
筋
(
すぢ
)
なきにあらねど
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
互いに
暗涙
(
あんるい
)
に
咽
(
むせ
)
びけるに、さはなくて彼女は妾らの室を
隔
(
へだ
)
つる、
二間
(
けん
)
ばかりの室に移されしなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
斯
(
か
)
う
考
(
かんが
)
へると、
無限
(
むげん
)
に
悲哀
(
かなし
)
くなつて、たゞ
茫然
(
ぼうぜん
)
と
故國
(
こゝく
)
の
空
(
そら
)
を
望
(
のぞ
)
んで、そゞろに
暗涙
(
あんるい
)
を
浮
(
うか
)
べて
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
、
今迄
(
いまゝで
)
默然
(
もくねん
)
と
深
(
ふか
)
き
考慮
(
かんがへ
)
に
沈
(
しづ
)
んで
居
(
を
)
つた
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は、
突然
(
とつぜん
)
顏
(
かほ
)
を
上
(
あ
)
げた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして若しその気持が捨て去ったまゝ再び後になって戻って来るものなら戻っても来よ、戻らざれば、それも是非なしと、
暗涙
(
あんるい
)
を催しながら思い切って徳の外に抛ってしまうのでした。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
私は昔風な父のあまりに律儀な意地強さにちょっと
暗涙
(
あんるい
)
を催したのであった。
東海道五十三次
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これが大ぜいの若者たちを自由自在に操縦もし
叱咜
(
しった
)
もしたあの
気嵩
(
きかさ
)
で美しく張のあった母かと、呆れもし
暗涙
(
あんるい
)
に
噎
(
むせ
)
びながら、身震いが出るほど嫌味なものを感じますが、粗末にはできません。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“暗涙”の意味
《名詞》
暗涙(あんるい)
密かに流す涙。
(出典:Wiktionary)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
涙
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“暗”で始まる語句
暗
暗闇
暗澹
暗夜
暗誦
暗黒
暗示
暗礁
暗々裡
暗中