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易々
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やす/\
ふりがな文庫
“
易々
(
やす/\
)” の例文
「それほどの男が、少々身體が不自由でも、腹帶も自分で締め直せるといふのに、女子供に
易々
(
やす/\
)
と絞め殺される筈はない」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼れが我身に覚えも無き事を
易々
(
やす/\
)
と白状して殆ど裁判を誤らしめんとするに至りし其不心得を痛く叱るに彼れ
屡々
(
しば/\
)
首
(
こうべ
)
を垂れ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
そして、その目的が充分に達せられた。その上に、それは、多少なり興奮してゐた一同の頭を一遍に和らげ、軽く
易々
(
やす/\
)
とした
暢気
(
のんき
)
な気持ちにさせた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
しかし一夜が明ければX—新聞は依然として朝まだきの郵便箱を訪問に来るし、木札は
捥
(
も
)
ぎとられ、釘は
易々
(
やす/\
)
と曲げられ、
塀
(
へい
)
には無惨な穴が開いてゐた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
卓一はそう
易々
(
やす/\
)
と信造の遺産が手に
這入
(
はい
)
ると思っていなかったので——信造が結婚すればそれっきりですからね。
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
▼ もっと見る
惡
(
あく
)
裏
(
うら
)
に有者は
天
(
てん
)
是
(
これ
)
を
罰
(
ばつ
)
し
惡
(
あく
)
表
(
ほか
)
に
顯
(
あらは
)
るゝ者は人是を
誅
(
ちう
)
すとかや
偖
(
さて
)
も吾助は宅兵衞を
易々
(
やす/\
)
と
殺
(
ころ
)
し
懷
(
くわい
)
中の金五兩二分と
脇指
(
わきざし
)
を
奪
(
うば
)
ひ取其上
足手搦
(
あしてがら
)
みなるお兼さへ其處に命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其れでなければあゝ
易々
(
やす/\
)
と催眠術にかけられる筈はないと云うのです。全くのところ三平は梅吉のようなお転婆な、男を男とも思わぬような勝気な女が好きなのでした。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なんて云つても、あたしは、
仕合
(
しあは
)
せだつたんですもの。女としての、重荷を負はない幸福が、あんなに
易々
(
やす/\
)
と得られたことは、あんたが、何処かほかの男と違つてゐたからだわ。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
彼れ自分で殺したと白状して居るけれど伯父が何の刃物で殺されたか夫さえも知ぬじゃ無いか、君が
短銃
(
ぴすとる
)
の問は実に
甘
(
うま
)
かッたよ、彼は
易々
(
やす/\
)
と其計略に落ちた
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
引つ掻きや
摺
(
す
)
り
剥
(
む
)
きを拵へたといふが、掴み合つたくらゐだからその揚句に殺さないとは限らないぢやないか——尤も小娘が
易々
(
やす/\
)
と大男を殺せるわけはねえから
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もちろん普通の場合ならばそう
易々
(
やす/\
)
と潜入出来る筈はないが、彼が豫想した如く、寄せ手の大半は城の三の丸や二の丸の内部へ詰め切っていて、陣屋の方は人数も手薄に
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
も
欺
(
あざむ
)
き
課
(
おほ
)
せんとする程の
大膽不敵
(
だいたんふてき
)
なれば間もなく
見樣見眞似
(
みやうみまね
)
にて
風藥
(
かぜぐすり
)
の葛根湯位は
易々
(
やす/\
)
と
調合
(
てうがふ
)
する樣に成ける程に武田長生院も
下男
(
げなん
)
にも
珍
(
めづら
)
しき
奴
(
やつ
)
なれど
扨
(
さて
)
心の
寛
(
ゆる
)
せぬ勤め振と
流石
(
さすが
)
に老醫常々
親戚
(
しんせき
)
の者へ語られしとぞ作藏の
僅
(
わづ
)
か三年
越
(
ごし
)
の奉公中に
醫
(
い
)
の道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
... 忘れてさ、今度は能く覚えて行う、其生田さんの居る所は
何所
(
どこ
)
とか
云
(
いっ
)
たッけなア」下女は唯此返事一つが己れの女主人には命より大切なる秘密と知らず
易々
(
やす/\
)
と口に
出
(
いだ
)
し
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
かうわかつて見ると、お夏の手を經ず味噌汁の中に
易々
(
やす/\
)
と毒を入れられるわけで、曲者は朝になつてからお勝手に入る必要もなく、大量毒殺が出來ることになるのです。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「宗次郎が歸つたあとで主人に會ひ、疑はれもせずに
易々
(
やす/\
)
と殺せるのは、元吉か
藏人
(
くらんど
)
か清松の外にない。清松はそれほどの深い
企
(
たくら
)
みのある男でなし、藏人は二本差のくせに、猫の子のやうな男だ、それに」
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
易
常用漢字
小5
部首:⽇
8画
々
3画
“易々”で始まる語句
易々諾々