明日あくるひ)” の例文
ほかの様に放って置けない性質たちのものだから、平岡も着いた明日あくるひから心配して、所々しょしょ奔走しているけれども、まだ出来そうな様子が見えないので
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明日あくるひになると、母様の眼を忍んで小銀が裏庭へ出て見ると、枝折戸しおりどの処から、点々ぽっちりずつ、あの昨夜ゆうべの胡麻がこぼれ出して、細い、暗い、背戸山の坂道へかかっているのを、拾い拾い、ずッとずッと
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その明日あくるひの新聞に始めて日糖事件なるものがあらわれた。砂糖を製造する会社の重役が、会社の金を使用して代議士の何名かを買収したと云う報知である。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此前あつさかりに、神楽坂へ買物に出た序に、代助の所へ寄つた明日あくるひあさ、三千代は平岡の社へ出掛でかける世話をしてゐながら、とつおつと襟飾えりかざりを持つた儘卒倒した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この前暑い盛りに、神楽坂へ買物に出たついでに、代助の所へ寄った明日あくるひの朝、三千代は平岡の社へ出掛ける世話をしていながら、突然夫の襟飾えりかざりを持ったまま卒倒した。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その晩はそれぎり何の気もつかずに寝てしまった。すると明日あくるひの朝さいが来て枕元にすわるや否や、実はあなたに隠しておりましたが長与ながよさんは先月せんげつ五日いつかくなられました。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東京へいたら一週間うちに、どうでもすると云ふかたい約束をしてうへに、少し訳があつて、ほかの様にほうつてけない性質たちのものだから、平岡もいた明日あくるひから心配して
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
明日あくるひは少しねつがする。あたまおもいからてゐた。午飯ひるめしとこうへに起き直つてつた。又一寐入ひとねいりすると今度はあせた。気がうとくなる。そこへ威勢よく与次郎が這入はいつてた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
汽車で着いた明日あくるひ平岡と一所にる筈であつたけれども、つい気分がわるいので、来損きそくなつて仕舞つて、それからは一人ひとりでなくつてはる機会がないので、ついずにゐたが、今日けふは丁度
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ジェームス教授のに接したのは長与院長の死を耳にした明日あくるひの朝である。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一膳めし屋から突然飛び出した赤い毛布けっとと、夕方の山からくだって来た小僧と落ち合って、夏のを後になり先になって、くずれそうな藁屋根わらやねの下でいっしょに寝た明日あくるひは、雲の中を半日かかって
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
修善寺しゅぜんじへ立つとき、むこうへ持って行って読み残した分を片付けようと思って、それを五六巻の書物とともにかばんの中に入れた。ところが着いた明日あくるひから心持が悪くて、出歩く事もならない始末になった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三四郎は明日あくるひ例になく早く起きた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)