早起はやお)” の例文
早起はやおきの女中ぢよちうがざぶ/\、さら/\と、はや、そのをはく。……けさうな古箒ふるばうきも、ると銀杏いてふかんざしをさした細腰さいえう風情ふぜいがある。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あちらのみねほうへ、早起はやおきする小鳥ことりたちのこえきつけて、これをらえてえをたすために、んでいってしまったあとです。
美しく生まれたばかりに (新字新仮名) / 小川未明(著)
まないのは、おまえさんよりこっちのこと、折角せっかくねむいところを、早起はやおきをさせて、わざわざてもらいながら、肝腎かんじんのおせんが。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「あなたは早起はやおきでゐらつしやいますね。」私が彼女の傍へ行くと、愛想あいそのいゝ接吻と握手で迎へられた。
ものぐさ百姓ひゃくせうがあるあさ、めづらしく早起はやおきして、はたけ種蒔たねまきをしてゐました。それを頬白鳥ほゝじろがみつけて
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
そのごえに、ねむっているはやしや、もりや、野原のはらましました。なかには、「元気げんきのいいからす。」といって、この早起はやおきのからすをほめました。
一本のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まだ、おちこちのもりのすがたは、ぼんやりとして、あたり一めんはたけには、しろいもやがかかっていたけれど、早起はやおきのうぐいすや、やまばとは、もうどこかでほがらかにいていました。
羽衣物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)